ウィーンの旧市街はローマ時代からの歴史があり、歩いているだけで楽しいです。
旧市街は迷うぐらいに歩くことをお勧めします。
ウィーンらしい石畳の路地などがひょっこり現れてきます。
旧市街の一角には巨大な王宮があり、歴代ハプスブルグ家の居城、そのハプスブルグ家の下に神聖ローマ帝国の皇帝や王様の称号があったので、皇帝の居城として様々な時代の増改築がされてきました。
その王宮のシシィ博物館や皇帝の部屋を見学する人は多いと思いますが、是非世界で最も美しい図書館と言われるPRUNKSAAL(プルンクザール)にも行って頂きたいと思います。
PRUNKSAAL(プルンクザール)は、ハプスブルグ家の様々な時代からの書物やグラフィックなどを一箇所にまとめておこうという発想から作られたもので、有名な建築家フィッシャー・フォン・エアラッハのプランにより、その息子のヨーゼフ・エマヌエルによって1723~1726年に作られ、皇帝図書館の素晴らしいバロック空間です。
基本は長方形で、その真ん中にバロック特有の楕円ドームが置かれ、素晴らしいフレスコ画が施されています。
ここに入った瞬間に息が止まります。
個人的にここは大好きな空間で、仕事でもよく行きます。
ここには国立図書館が所蔵している様々な書物やグラフィックなどが展示されています。
今年2018年はオーストリア国立図書館の650周年記念の年です。
さて、ここに日本の書物が一部展示されていることに気が付きましたか?
図書館に入ってすぐ右側の展示ケースに見られます。
これは1760年、日本で最初に刊行されたくじらの専門書で、梶取屋治右衛門(かじとりや じえもん)によるものです。
こちらでは大変に珍しいとされていて、数ページに渡ってくじらの絵が全部で14描いてあります。
この本はクジラについて通論した後に図説しています。
これは"鯨志" (げいし)です。
オーストリアの国立図書館は今年が650年周年記念、つまり1368年からということになります。
その3年前にはハプスブルグ家のルドルフ4世によってウィーン大学が設立されました。
そこから現在に至るまで、世界の色々な地域から様々な分野の書物が集められています。
国立図書館はその膨大な書物をデジタル化していて、無料で国立図書館のホームページ上で閲覧することができます。
以前ここの本棚から本を取り出している光景を紹介しました。
興味がある方は以下Österreichische Nationalbibliothek(オーストリア国立図書館)のサイトにあるABO (Austrian Books Online)を訪れてみて下さい。
https://www.onb.ac.at/digitale-bibliothek-kataloge/austrian-books-online-abo/
ここで検索に例えば"Japan"と入れてみて下さい。
膨大な量の書物を閲覧できます。