UNO CITY (国際連合)を見学しよう

オーストリアは永世中立国であり、民主主義の共和国です。

第2次世界大戦後、アメリカ、イギリス、フランス、旧ソ連の4ヵ国の共同統治を受け、その時に旧ソ連勢力が優勢だったので旧東ヨーロッパ同様、共産圏の中に入る可能性が大でしたが、有能な政治家がいたおかげで、共産党を極力排除し、民主主義の内閣を構築し、1955年5月15日 ベルヴェデーレ宮殿で国家条約を結ぶことができ、西側に留まることができたという大変に大きなドラマがありました。

このような背景から、オーストリアは1955年の暮れ(12月14日)には国連に加盟し、1957年には国際原子力機関をウィーンに呼んでいて、1967年には国際連合工業開発機構(UNIDO)がウィーンに本部が置かれました。

オーストリアは永世中立国でもスイス型とは違い、EUにも加盟していますし、通貨もユーロが当初から導入され、8か国に囲まれていての永世中立国ですので柔軟性を持っています。

そんな永世中立国オーストリアの首都ウィーンに国連を置こう・・・というのはごく自然な考え方だったと言えます。

オーストリア政府は1979年に国連都市を建設しました。

ウィーンはニューヨーク、ジュネーブに次いで3番目の国連都市となったわけです。

国連都市はドイツ語でInternationales Zentrum Wien、Vereinte Nationen、

英語でVienna International Centre、 英語の旧称United Nations Organization、

国際連合ウィーン事務局としてUnited Nations Office at Vienna・・・そこから"UNO CITY"と言われることが多いです。

ウィーンではドナウ河を渡った22区の一角にUNO CITYがあります。

 


 

UNO CITYは個人的に見学することはできませんので、定期的に提供されているガイドツアー、もしくはグループ単位の場合事前予約をする必要があります。

個人的に行かれる場合はほぼ毎日行われているガイドツアーが手軽でいいと思います。

 

地下鉄1号線Vienna International Centre(UNO CITY)で降りれば目の前に国連が立っています。

ここに入るには身分証明が必要ですが、入口は職員用とガイドツアー用に分かれていますので、右側のガイドツアー用の入口から入ると、すぐに空港でお馴染みのセキュリティーチェックがあります。

それを抜けると係がいる待合空間があり、ガイドツアー窓口で料金を払い、IDカードを受け取ってそのままパスポート審査に似たような窓口で、身分証明を出し、登録してもらいます。

このIDカードは見学中、常に掲げていなければいけません。

その後、IDカードをスキャンさせて国連都市領域に入ります。

上の写真は外側からは見えない、中庭部分で、アルファベット順に加盟国の国旗が立てられています。

現在は193ヵ国が加盟しています。

この印象的な建物はオーストリアの建築家Johann Staberによって1973–1979に建てられました。

高さ127m、28階立て、230.000m²、建物は6基あり、それぞれ2基ずつ結ばれていて、3つの部分が三角形状に真ん中で結ばれていて、約5.000人が働いています。

文字通り国連都市で、この領域はオーストリアの法律ではなく、国際法が適用されていて、言ってみればここはオーストリアではないわけです。

国連はここを99年間オーストリア政府から借りていて、年間家賃として7セント払っています。

これは形式的です。(笑)

ちなみにこの国連都市の所有はオーストリア政府65%、ウィーン市35%となっています。

 


 

国際連合は第2次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟の反省をベースとして、アメリカ、旧ソ連、イギリス、中国などの連合国が中心となって1945年10月24日に発足しました。

国際平和と安全の維持、経済・社会・文化・技術などの国際協力、人権などを目的としていて、ウィーンの国連都市は特に技術的な面を担っています。

 

ガイドツアーでは職員が働いている部屋に入ることはできませんが、6基ある建物の中を周回するように歩いて行きます。

国連都市ですから様々な方が歩いています。

よく知られているIAEA(国際原子力機関)の本部もここですから、ガイドツアーでは必ずIAEAに立ち寄り、原子力を平和の目的だけに使用することを強調します。

 

左上の写真はここに多くある会議室のひとつで、このガイドツアーではおもしろい部分です。

国連都市での公用語は英語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語、スペイン語となっていて、会議の時などその6ヶ国語は国連が通訳を用意してくれますが、それ以外は自分の好きな言語で、自分が用意した通訳を雇うことができます。

 

右はRotunde(ロタンダ)と呼ばれる3つの建物が結ばれている円形スペースです。

ここには加盟国からの様々な物が展示されています。

日本の絵もありますよ。

また、多くの人が働いているので、銀行、郵便局、本屋、パン屋といった商業施設や幼稚園までも設置されています。

 


 

左上は地球儀のようですが、これは地球で核実験がいつ、そして現在まで何回行われたかを見せてくれます。

想像を超えた回数が行われています。

右は月の石が展示されていて、39億年前と推定されています。

ウィーンの国連都市には宇宙平和の部門もあります。

 

国際意識を高めることができるので、UNO CITYの見学はお勧めです。

 

UNO CITYのガイドツアーは月~金 11:00、14:00が基本です。

以下参考にして下さい。

http://www.unis.unvienna.org/unis/en/visitors_service/index.html

 

 

 

 

 

 

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