自転車はヨーロッパのひとつの文化です。
ウィーンを歩けば自転車で走っている人がたくさんいます。
かつての帝国の都であるウィーンは荘厳な建造物が多く建ち並び、豊かな緑に囲まれた上品で優雅な街ですが、自転車もウィーンの光景のひとつで、ウィーンの街のカラーに完全に溶け込んでいます。
リンク道路を始めとして、街中には自転車専用道路が多く整備されていることがわかります。
観光の皆さんでも乗れるCitybike(シティバイク)のように、自転車を所有していなくても気軽にレンタルできるサービスが多くあります。
街中だけではなく、ドナウ河沿い、ドナウ運河沿い、ウィーン川などにもサイクリングコースが整備されていて、子供から自転車選手まで多くの人が走っています。
私は仕事で自転車に乗ることはほとんどないですが、プライベートでは頻繁に自転車に乗っています。
個人的によく走るのがEuro Vero9で、ここは本当に気持ちいいです。
Euro Veloは1983年に当初12か国で設立され、現在では38ヵ国が加盟しているECF(European Cyclists' Federation・・・ヨーロッパ自転車連盟)が推奨しているヨーロッパ自転車道路網です。
御興味ある方は上のEuro Velo紹介サイトに地図をダウンロードできるようにしてありますので参照して下さい。
これを見ても自転車がいかにヨーロッパで人気があるかということがわかります。
右の写真はこのルートに見られる案内表示です。
"Wien~Břeclav" と書かれていますがBřeclavはチェコです。
私はこのEuro Vero9には、ウィーンのStammersdorf界隈からいつも入ります。
Stammersdorfは観光化されていない、地元で有名なホイリゲ街で、先日ここのMailüfterlを話題にしました。
Stammersdorfから奥に走って行くと、家が少なくなり、このような自然が広がっていて、整備されたサイクリングロードが果てしなく続いています。
この自然を少し走るとウィーンを離れることになります。
とてもウィーンとは思えない風景です。
Euro Veloとして認定されるには全体の80%が舗装されていること、傾斜6%以内、2台以上の自転車が並走できる幅であることなどの規定があります。
オーストリアは郊外に数千人単位の街が多く点在していて、街と街の間には美しく長閑で豊かな自然が広がっています。
車で走るともっとそれを実感できますが、Euro Veroのようにヨーロッパを縦断するような長いルートでは多くの街を経由しますので、距離を長く走っているとそれを実感できます。
このStammersdorf界隈のEuro Vero9は、1903年から蒸気機関車が走っていて、その線路部分が利用されています。
かつての駅だった所には蒸気機関車の車輪や信号、当時の案内板などが置かれていて、休憩できるスポットになっています。
ここは本当にお勧めのサイクリングコースです。