オーストリアで観光スポットとして最も多くの観光客の皆さんが訪れるのはシェーンブルン宮殿です。
シェーンブルン宮殿はハプスブルグ家の夏の離宮で、マリア・テレジア女帝の時代に現在の姿になっていて、俗にマリア・テレジアイエローと呼ばれる黄色が印象的です。
さらにヨーロッパで重要なバロック建築でもあり、世界遺産にも登録されています。
私もシェーンブルン宮殿は年間を通して数え切れない程御案内しておりますし、シェーンブルン宮殿から観光が始まるツアーが非常に多いです。
ここは個人でも見られ、簡単な案内が聞けるオーディオガイドも借りられますが、絶対にガイドの案内で見学した方が遥かにおもしろいです。
ちなみにシェーンブルン宮殿を案内するためにはオーストリア国家公認ガイドライセンスだけではなく、シェーンブルン宮殿が発行している独自のライセンスが必要ですから、ガイドと一緒に見学すればクオリティーの高い観光が楽しめます。
年間を通してここに来ていると、掃除をしている所や、修復作業などに出くわすことがよくあります。
世界遺産でもある重要なシェーンブルン宮殿は常にしっかりと管理されているわけです。
今日はシェーンブルン宮殿の一室が修復作業をしている光景をちょっと見てみましょう。
こちらはシェーンブルン宮殿のフランツ・カール大公のサロンです。
フランツ・カール大公はフランツ・ヨーゼフ1世のお父さんで、1878年にこの世を去るまで、この部屋に住んでいました。
この部屋はシェーンブルン宮殿のグランドツアー(もしくはハイライトツアー)のほぼ最後にガラス越しに見ることができる空間で、ヨーゼフ2世の最初の妻であるイザベラ王女などの肖像画も見られます。
写真だけ見ているとただの工事現場ですね。
素敵なシェーンブルン宮殿もこのような作業状況を見ていると、街中の普通の建物の工事現場と変わりませんね。(笑)
シェーンブルン宮殿によれば、1888年の当時この部屋がどうだったかという歴史的資料から当時の状態に復元するということで、この作業は今年7月までかかるということです。
シェーンブルン宮殿内の撮影は禁止となっています。
この部屋は、宮殿見学中にはガラス扉から覗くだけなのですが、見学終了後、ショップを抜けて階段を降りる時に、反対側から覗けるようになっているのです。
多くの方は知らないで通り過ぎてしまう、もしくは気付いたとしてもすでに見学中に反対側から見たということは気付きにくいわけです。
作業をしている方々の右側に扉が見えますね。
見学中にはそこからこちら側を少し覗くことができます。
私は出口の階段付近からこの光景を撮影しました。
観光では実際この部屋の中を通ることはありませんが、このような作業はシェーンブルン宮殿でよく行われています。