知られざる美しい中庭風景 53

暖かかった今年の冬でしたが、ついに一昨日から寒くなり、日中の気温は今年の冬初めてマイナスとなりました。

2月25日の朝方は-11℃、日中も-5℃前後、昨日26日は朝方-12℃、日中-4℃でした。

昨日の午前中は学生の方が多く参加していた団体ツアーで、シェーンブルン宮殿見学後、45分程旧市街を歩きましたが、多くの学生さんが寒さに耐えがたいようでした。

しかし寒くても天気がいいですから冬の青空と共に街はより美しく見えます。

今週の金曜日までこの寒さは続くようですので、この時期ウィーンに来る方は防寒対策をしっかりとされて下さい。

 

さて、今日は知られざる美しい中庭シリーズです。

前回の知られざる美しい中庭52ではカフェ ツェントラルと幼稚園の中庭を取り上げましたが、今日は旧市街です。

 

こちらはウィーンによく見られるオーソドックス的な中庭空間です。

横幅がある建物の中に入ると、左右に細長く中庭空間が広がっています。

写真はその中庭空間を縦で見ています。

ここはウィーン旧市街のBräunerstraße 3番地で、13世紀終わりからここには建物が立っていて、1800年頃にはBatthyány家の所有となり、後の1871年にウィーン大司教区が所有ししたちょっと宮殿風の建物です。

ここでは1801年12月7日に地元で有名な劇作家であり、俳優であり、オペラ歌手であった

Johann Nepomuk Eduard Ambrosius Nestroy(ヨハン・ネストロイ)が生まれています。

ウィーンに多く見られるパヴラッチェン構造があり、その装飾も素敵です。

壁に蔦の葉があるのも情緒がありますね。

屋根裏部屋の構造もおもしろそうです。

ちょっとバロックを感じる所もあります。

窓もウィーンに多くあるT型で、一階部分は関係者のガレージっぽくなっていますね。

 

こちらも旧市街一角にある中庭空間です。

何か特定の建築様式が見られるわけではありませんが、全ての窓の周りが茶色で、それぞれの階の間にも茶色のラインが入っていて、全体的な統一感があります。

正面の日本で言う3階部分には外に出ていないパヴラッチェン構造を見ることができます。

これはこのシリーズ一番最初の知られざる美しい中庭風景1でも見られます。

奥の方は行き止まりに見えていても、よく見るとちょっと左へ行けるようになっていて、ちょっとした空間があります。

石畳の地面も情緒がありますね。

この場所はAugustinerstraße12番地で、道を挟んだすぐ真横に王宮に組み込まれているアウグスティーナ教会があります。

この場所は1938年までカトリック関係の役所で、出生、婚姻、死亡届などを管理していました。

ここは昔はいつも扉が開いていたのですが、ここ何年も鍵がかかっていて、残念ながら常に入ることができません。

 

 

 

 

 

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