ウィーンはヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ王朝の居城であり、神聖ローマ帝国の皇帝やローマ王の称号がほとんどハプスブルグ家にあったため、皇帝の居城でもあったわけです。
そこで根本的に他のヨーロッパの街とは歴史的立場も違っていました。
そのハプスブルグ帝国時代は多民族国家でしたので、今でもウィーンには多くの外国人が住んでいます。
皆さんドイツ語を話していますが、生まれた国はオーストリアではないという人が多くいます。
また、自分はオーストリアで生まれていても両親や祖母がかつてのユーゴスラビアとかチェコ、ポーランドであるという人が多くいます。
私だって東京生まれの東京育ちですが、このウィーンに長く住んでいて、永住権を持っている外国人の1人でもあります。
さて、2017年1月時点でウィーンには1.867.582人が住んでいますが、その内約740.000人が外国から来たというオーストリアの統計があります。
40%弱が外国人ということになりますね。
どの国からどのくらいの人がウィーンに住んでいるかのデータを御紹介しましょう。
ヨーロッパ | |
かつてのユーゴスラビア (セルビア、クロアチア、スロヴェニアなど) | 196.000 |
トルコ | 77.000 |
ドイツ | 57.000 |
ポーランド | 53.000 |
ルーマニア | 36.000 |
ハンガリー | 27.000 |
スロヴァキア | 18.000 |
ブルガリア | 18.000 |
ロシア | 18.000 |
その他 | 73.000 |
アジア | |
アフガニスタン | 16.000 |
イラン | 13.000 |
中国 | 11.000 |
インド | 10.000 |
フィリピン | 9.000 |
その他 | 54.000 |
アフリカ | |
エジプト | 9.000 |
ナイジェリア | 5.000 |
その他 | 14.000 |
アメリカ | |
USA | 6.000 |
その他 | 9.000 |
上記以外 | |
オセアニア | 1.000 |
無国籍 | 9.000 |
ヨーロッパからだけで573.000人いて、その中でかつてのユーゴスラビアが圧倒的に多く、2位がトルコ(いちおうトルコはヨーロッパに入れてあります)、3位がドイツ、4位ポーランドとなっています。
アジアではアフガニスタンからが一番多く、イラン、中国という順番です。
ウィーンの街を歩くと、ペルシャ料理よりも中華料理店の方が多く見られる気がします。
アフリカ、アメリカ、オセアニアなどからもウィーンに住んでいる人がいます。
日本人はどのくらいかというと、3.000人前後だと思います。
上のデータと比較すればかなりの少数派ですね。
今回のデータはStatistik Austriaからで、オーストリア事業主のための情報新聞 Wiener Wirtschaft2018年1月18日号に掲載されていたものです。