ウィーンには100年以上も営業している話題性あるカフェハウスがたくさんあります。
ウィーンのカフェハウス文化は無形文化遺産にも登録されていて、しっかりと定義されています。
慌ただし団体ツアーに参加されていても、どこかで有名なカフェハウスに入ってちょっと落ち着くぐらいのゆとりは欲しいものです。
慣れて来るとそれぞれのカフェにはそれぞれの空気が感じられ、その時の気分によってカフェを使い分けることが当たり前になってきます。
皆様に毎日色々なことを御案内している私の仕事柄、ひとりになる時間も必要で、ちょっとの時間でも次の仕事の合間や仕事帰りにちょっとカフェによることも重要です。
さて、今日はカフェハウスをひとつ話題にしますが、ここは中心から遠いためあまり観光では行かないカフェですが地元では非常に有名なカフェハウスです。
こちらはCafé Dommayer(カフェ・ドンマイヤー)です。
このカフェはシェーンブルン宮殿に近い所にありますが、多くの人が利用するシェーンブルン正門ではなくHiezingtorから近い所にあります。
このカフェハウスはDickという名のボーイが1787年にPfarr教会マリアヒーツィングのそばに、郊外に出かける人達のためにおやつを食べる休憩所としてカフェハウスをオープンさせました。
1817年にはReiterがさらに拡張して、1823年には彼の義理の息子であるFerdinand Dommayer (1799–1858) が1823年にここを引き継ぎ、1833年にはここをダンスホールを備えたカジノに改築しました。
このようなスタイルの店は帝国の都であったウィーンでは、ビーダーマイヤー時代から1860年代初頭までとても好まれていました。
ここではヨハン・シュトラウスの父が多くの曲を初演し、ヨーゼフ・ランナーと競い合いました。1844年10月15日にはヨハン・シュトラウス(2世)が彼のオーケストラを自ら指揮をしてデビューを飾っています。
かつて華やかな歴史を持ったこの場所は1908年からParkhotel Schönbrunnとなっています。
第1次世界大戦後、Schneyerファミリーがこの店を引き継いで、かつての場所からちょっと奥に行った現在の場所であるDommayergasseに移り、1931年まで、その後Senalファミリーが1963年まで、その後は2006年までGerersdorferファミリーによって経営されて地元で支えられてきました。
2006年からは現在まで有名なケーキ屋さんOberlaaが引き継いでいます。
カフェの入り口近くにはヨハン・シュトラウスの記念碑があります。
店内の雰囲気も社交的な雰囲気を感じるエレガントな内装です。
大きな窓がいくつもあって明るい店内です。
ウィーンカフェハウス文化でお馴染みの洒落たシャンデリア、長椅子などの伝統的要素もしっかりと見ることができます。
ここは正面入り口にもテラスがあり人気あるスペースとなっています。
店内は長方形の2辺部分が客席となっていてさらに奥に進むことができるようになっています。
Oberlaaが引き継いではいますが店の名前はもちろんCafé Dommayerですので、当時のカラーが極力残されています。
ケーキはと言うと、Oberlaaですから当然Oberlaaの美味しいケーキが並んでいます。
右の写真は裏側にあるテラスで、こちらも雰囲気がいいです。
シェーンブルン宮殿を見学した後、宮殿の庭園を通りながらHietzingtor方面に行き、是非このカフェに寄ってみて下さい。