オーストリアは小さい国ではありますが、旅の全ての魅力を持った個性ある美しい国です。
その首都ウィーンは言わずと知れたかつての帝国の都であり、他のヨーロッパの都市とは違う歴史的立場を持ち、様々な物が交差しているヨーロッパ文化が凝縮した街です。
ウィーンは繰り返し来る方が多く、それだけ奥が深く、惹かれるものがあるからでしょう。
団体ツアーから個人のお客様まで年間を通して多くの方が来られるので、仕事が途絶えることがありません。
さて、団体ツアーの場合は時間がしっかり決まっている中で、多くの観光場所が入っているのでかなり忙しい観光になることがほとんどですが、オーストリア国家公認ガイドが必ず同行しますので、個人でガイドブックを片手に観光しているのとは全く比較にならない中身が凝縮された質の高い観光が楽しめます。
そんな団体ツアーならでは特権というものが多くあり、例えば路面電車の貸し切りなどはその一例です。
今日はその特権のひとつベルヴェデーレ宮殿の開館前の入場について少し書きたいと思います。
ベルヴェデーレ宮殿は去年大きな変化がありました。
御存知の通り、去年6月から制限はあるものの写真が解禁となり、7月からは10:00ではなく、9:00からオープンしています。(上宮であり、下宮は10:00からです)
これは本当に有難いことで、仕事をしていると実感します。
その1時間早まった一般開館時間よりもさらに1時間早い特別見学というのが団体ツアーではよくあります。
つまり朝8:00に入って、一般が来る1時間前から貸し切り状態で見学するわけですね。
私は手配をしているわけではないので、どのくらいのエクストラコストが発生しているか全くわかりませんが、これはお客様もうれしいですし、案内する私にとっても素敵な企画です。
当たり前ですが、係以外はこの上宮のオーストリアギャラリーには誰もいません。
文字通り貸し切り状態です。
このベルヴェデーレ宮殿の上宮は2012年クリムト生誕150周年以来から入場観光がとてつもなく増えました、以前は写真ストップが多かったのですが、最近では毎日のように御案内しています。
ここではやはりクリムトが中心となることがほとんどで、クリムトをかなり深く御案内し、時間が許せばシーレやココシュカなどを始め、印象派の絵やバロックコーナーに行きます。
上の写真はクリムトのコーナーで、普段最も混雑している空間ですが、誰もいません。
奥にはユーディットが見えますね。
こちらは"接吻"が奥に見られ、この場所が最も混雑します。
もちろん誰もいません。
御案内していてもとても気持ちいいです。
このような環境は団体ツアーならではの特権ですね。
※ベルヴェデーレ宮殿は今年1月8日から模様替えが行われていて、現時点ではいくつかの部屋が入れません。
クリムトも全く反対の部屋へ移動しました。
ここに掲載したクリムト空間は模様替え前です。