ウィーンのカフェハウス文化は無形文化遺産にも登録されていて、歴史と伝統を持っています。
"カフェ"と言ってもホテルの朝食で提供されるのはごく一般的なコーヒーです。
このタイプのコーヒーはウィーンの伝統カフェハウスにおいては見かけません。
しかも、ウィーンのカフェハウスは"コーヒー"という名称は基本的に存在せず、メランジェやアインシュペンナーといったカフェ独自の名称で注文します。
ここで言う"カフェハウス"とは、あくまでも100年以上は続いている伝統を持つカフェハウスのことであり、スタバのようなものとは違います。
ウィーンに来たら1度は伝統あるカフェハウスに行って、雰囲気を楽しむことも重要です。
今日は久しぶりにカフェハウスをひとつ話題にしましょう。
こちらはCafé Bräunerhof(カフェ ブロイナーホーフ)です。
ここはカフェモーツァルトのようにたくさんの観光客が座っているカフェとは違い、多くの地元の人が通いますので、店内の空気が違います。
Café Bräunerhofはウィーン旧市街一角にある複雑な王宮のすぐ裏側、Stallbugasseにあります。ここは名前の通りスペイン乗馬学校のエリート達が生活をしている厩舎(Stallburg)がある所で、乗馬ホールに通じる通りと比べると、人通りがとても少ない所です。そのため、このカフェハウスもあまり目立ちません。
余談ですがこのStallburgの中庭はとても美しいルネッサンス様式です。
このカフェはFriedrich Bolberitzによって1920年~1921年に"Café Sans Souci"という名前でオープンしました。
ここは王宮近いこともあり、今でもそうですがアンティーク関係の店が多く並んでいるため、当時は多くのアンティーク業界の人々が訪れました。
Bolberitzは1938年にウィーンを去ることになり、次の経営者がBräunerhofという現在の名前にしました。この名前はこのStallburggasseに交わるBräunerstraßeという通りの名前に由来しています。
ここの中は意外と質素な内装となっていて、カフェFrauenhuber(フラウエンフーバー)のようにボーイさんがタキシードを着てプライドを持って仕事をしています。
ガイドブックでお馴染みのCafé Centralやカフェ モーツァルトのようにざわついていないので、静かに時を過ごすことができます。
ここは入口の所に小さく写真禁止マークが貼られています。