ウィーンの国立オペラ座はウィーンの観光の基本となる場所のひとつで、フリータイム後の集合場所にも多く利用されます。
特に団体ツアーでフリータイムがある場合は必ず国立オペラ座の場所を覚えて頂きます。
この国立オペラ座ではガイドツアーが多く提供され、日本語のガイドツアーに入る方も多いです。
国立オペラ座はガイドツアーのみで見学することができますので、個人で勝手に入ることはできませんが、私のような国家公認ガイドとであればガイドツアーとは別に内部見学ができます。
年間を通して私はお客様に国立オペラ座内部をよく御案内しています。
国立オペラ座にはガイドツアーの時だけしか見ることができない場所があります。
こちらは古典的な美しい内装が特徴である"ティーサロン"と呼ばれている空間です。
この場所は国立オペラ座の中央階段を上って、さらに左に行く階段を上った上の階にすぐ右側に位置しています。
この空間はもともと"宮廷祝祭ボックス席サロン"と呼ばれていて、特別な機会に皇帝のサロンとして利用されていました。国立オペラ座が完成したのは1868年ですから、その時の皇帝はフランツ・ヨーゼフ1世ですね。
上の写真の左側に立派な木の扉が見えますね。ここを出ると通路があって、このティーサロンの真向いにMittelloge(いわゆる中央ボックス席)があります。
ここは国立オペラ座の座席では一番高い場所のひとつです。
フランツ・ヨーゼフ1世はオペラにはあまり興味がなかったとも言われ、便宜上この中央ボックス席で皆さんに笑顔で挨拶をして、オペラが始まったらやれやれ・・・と席を立ち、このティーサロンに入ってお茶を飲んだと言われています。
ここは帝国時代の内装を見ることができる貴重な空間です。
Mittellogeに行く扉とは反対側にある右側の扉の外は中央階段ホールです。
このサロンは国立オペラ座の建築家の従弟であるJoseph Stork(1830年~1902年)によるものです。
画面奥には立派な鏡がありますね。
壁や絨毯に双頭の鷲のシンボルやフランツ・ヨーゼフ1世のモノグラムを見ることができます。
壁は黄金色のシルクが張られていて、ここにはたくさんのモノグラムが施されています。
それを囲むような帯のようなラインにエナメルで施された双頭の鷲が見られます。
壁に取り付けられた照明も素敵です。
このティーサロンはオペラ座上演中には閉められているので見ることができませんが、ガイドツアーの時にはこのように扉が開かれています。
ここは一般に貸し出しされていて、20分500ユーロということです。
でもこれにはお茶代は含まれていません。
国立オペラ座で話題性がある時に、この空間で批評家などが話す時にテレビ中継されることがあります。
この国立オペラ座については何回か話題にしているので興味ある方は以下も御参照下さい。
国立オペラ座の舞台事情1、国立オペラ座の舞台裏事情2、国立オペラ座の舞台裏事情3、