ウィーン料理の定番はWienerschnitzel(ウィンナーシュニッツェル)、Tafelspitz(ターフェルシュピッツ)、
Zwiebelrostbraten (ツヴィーベルローストブラーテン)が最初に挙げられと思います。
特にウィーンナーシュニッツェルはウィーンに来られた方で絶対に食べるべきと思われている方が多いです。
ウィーンはかつての帝国の都であり、宮廷文化が栄えたおおもとの場所ですから料理もおいしいです。
ウィーンの街中には星の数ほどレストランがあり、ウィーン料理はもちろんのこと、様々な料理が食べられます。
しかし地元の人達が毎日このような物を食べているわけではありません。
それぞれの家庭ではそれぞれのスタイルがあって違いがあるわけですが、ウィーンらしい(オーストリアらしい)料理というと共通性があります。
例えば地元らしい料理としてKümmelbraten (キュンメルブラーテン)があります。
Kümmelbraten(キュンメルブラーテン)はSchweinsbraten (シュバインツブラーテン)と総称で言われることもありますが、Bauchfleisch(豚のばら肉)のかたまりに塩とKümmelを振り掛けて少し置き、皮の部分を上にしてニンニクと125ml程の水を入れた容器に入れ、最低160℃のオーブンで、60~90分焼きます。肉の中央部分が80℃ぐらいに達するのが理想です。
1時間後にもう一度125mlの水を入れ、250℃までオーブンの温度を上げて、少し塩を皮に振り掛けて、皮がカリカリになるまで焼きます。
この皮のことを"Schwarte"(シュヴァルテ)と言い、地元ではこの部分が好きな方が多いです。
Kümmelはキャラウェイでちょっとスパイシーな香辛料として用いられる果実で、種のように見え、噛むと独特の味を出し、肉とよく合います。
写真のKümmelbraten(キュンメルブラーテン)はZwölf Apostelkeller(ツヴェルフ・アポステルケラー)のものです。
ここではSauerkraut(ザウアークラウト・・キャベツの酢漬)とSemmelknödel(ゼンメルクネーデル)が添えれれている定番スタイルです。
肉を焼いた時の肉汁が肉にしみ込んでいて、この味にマスタードがよく合います。これを食べる時にもしマスタードがついていなかったらレストランで注文して下さい。すぐに持って来てくれます。
洗練された料理というわけではありませんが、たまに食べたくなる地元で親しまれている料理です。
以前エスターハーズィーケラーのKümmelbratenも話題にしていますので比較してみて下さい。