シュピッテルベルクのクリスマス市(2017年)

アドヴェントもあと数日となりました。

今年は12月24日のクリスマス・イヴがアドヴェントの第4日曜日となりますので、クリスマスの空気を楽しむのがいつもよりもちょっと短いのが残念です。

街中ではもみの木を売る業者がここぞとばかりに忙しそうにしています。

この時期になってくると地元の人がクリスマスツリーを運んでいる姿が多く見られます。

 

この時期にウィーン来られたお客様には毎日のようにクリスマスの習慣についてや、オーストリアにはサンタクロースが登場しないこと、クリスマスの成り立ちなどを御案内していますが、それも12月24日を過ぎたらひと段落ということになります。

 

さて、ウィーンのクリスマス市をいくつも話題にしていますが、今日のシュピッテルベルクのクリスマス市を登場させないわけにはいきません。

個人的にこのシュピッテルベルクのクリスマス市には何回も足を運んでいますが、観光で皆さんとここに来ることは残念ながらほとんどありません。

 

 


 

Spittelberg(シュピッテルベルク)は1850年までVorstadtのひとつであり、現在ではウィーン7区(Neubau) の一角にあります。

 

Vorstadt(フォアシュタット)とは、当時帝国の都であったウィーン中心部に城壁があった頃、その外側にGlacisがあり、その外側に広がっていた、2つ目の城壁の手前までの集落の総称です。

シュピッテルベルクは現在ではMQの裏側にある、BurggasseとSiebensterngasseに挟まれた地域です。

ここは1525年にBürgerspitalから得た場所で、もともとSpitalberg(シュピタールベルク)とも呼ばれていました。

17世紀後半のトルコ軍のウィーン包囲があった時や、1809年ナポレオン軍がこの地域から中心に向けて攻撃をした場所でもあり、小高い所にあります。

バロック時代に、現在見られるように建物が密集して建てられました。

 

 


Spittelbergはバロック様式の建物との調和が非常に美しい閑静な界隈です。

Gutenberggasse,Spittelberggasse,Schlankgasseの石畳の細い小路に多くの屋台が並んでいます。

中庭を経由する抜け道なども数本あり、クリスマス市がない通常の時でもセンスのいいブティック、画廊、手作りの工芸品店やレストラン的飲み屋さんなどもいくつかあります。

 

都会のざわめきを避けて、しっとりムードのクリスマス市を楽しむことができること、古き良き時代を感じさせるクリスマス市ということで、地元ではとても人気があります。

ここは若者から年配者まで幅広い年齢層が集まります。

石畳の小路が本当に狭いので、多くの人がいると時としてすれ違うことも難しいことがあります。

 


 

このSpittelbergは前述したBurggasseとSiebensterngasseの交通量が多い2つの通りに挟まれた地域ですが、外側からは想像できない静かな美しい界隈です。

Spittelbergは年間を通してこのクリスマス市の時が最も賑わう時でしょう。

 

ここはちょっとアクセスしづらい場所にありますが、時間があれば是非訪れて下さい。

 

 

 

 

 

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