ウィーンは"森の都"ともよく形容され、ヨーロッパでは街の広さに対して緑の比率が最も高い街です。
中心のリンク道路沿いだけでも5つも大きな公園があり、中心から外側に離れても多くの場所に公園やちょっとした街路樹地帯・・・さらにシェーンブルン宮殿やプラター公園といった大きな緑があります。その緑豊かなウィーンの街をもっと大きく外側から囲んでいる"ウィーンの森"があり、郊外には中心にいる限りは想像できない広大な緑が広がっています。
これはオーストリアの地形にも関係があり、オーストリアはヨーロッパアルプスを大きく持っている国ですから、そのアルプスの標高が低くなった裾野がウィーンの森だったわけです。
今日はそのウィーンの大きな緑でも、観光客で溢れる中心の公園ではなく、ちょっと外側にある地元で有名なKurpark Oberlaaを紹介しましょう。
Kurpark Oberlaa(クアパルク オーバーラー)はウィーン10区のLaaer Bergの南東の裾野に位置しています。
そもそもOberlaaというのは地名で、ケーキがおいしいことで有名なOberlaaはこの地域から来ています。
Oberlaaと言うとウィーンではケーキだけではなく、温泉があることでも知られていて、1969年より温泉療養も行われています。
Laaer BergはBergでもウィーンの街中にあり、丘のようになっていて、一番高い部分で標高251mです。
右の写真は定番なこの公園の入口です。
このKurpark Oberlaaは広さ860.000 m²もあり、10の入り口があり、ウィーン市の管理となっています。
上の写真はこのKurpark Oberlaaの見取り図で、道もそれなりに複雑で、池も多くあります。
1964年にウィーン22区にあるドナウ公園で開かれた国際ガーデンショーが大成功したことを受けて、ウィーン市は新しい国際ガーデンショーをプランしました。
この地域は煉瓦を焼く土を採取した地域であり、近くのぶどう畑も買い足して1974年には260万人もの入場がありドナウ公園同様の大きな成功でした。
1974年の終わりには一般が入れる公園に変わりました。
上の2枚の写真を見て下さい。
ウィーンの街中とはとても思えませんね。
もちろんこの公園の一角ですがウィーンのはこのような所がたくさんあります。
この公園は多くのテーマに分かれていています。
例えばアレルギー庭園、バロックの泉庭園、花の迷路、愛の庭園など多くの個性ある庭園となっていて、いつかここで紹介しますが日本庭園もあります。
もちろん大きな子供達の遊び場もあって十分楽しめます。
公園内には山羊、羊、孔雀、あひる、鶏などの動物達もいて、触れられるようになっています。
何となくヒルシュシュテッテンの花壇庭園を思い起こさせますが、全く違います。
公園内にはちょっとしたフード系の店もあるので、飲食には困りません。
ここはウィーン10区にあるわけですが、10区と言うと地元では"労働者の区"というイメージが強く、人口も多い地域ですので天気がいいと結構混んでいます。
とても地元の空気が感じられる公園です。