ヨーロッパ文化はキリスト教なくしては語れません。
絵画、建築、音楽などはキリスト教と密接な関係があり、現在の私達の生活や習慣にも大きな影響を与えています。
キリスト教のことが少しでも見えてくると、ウィーンの街はもっと楽しくなります。
そのキリストが誕生したことを祝うのがクリスマスであり、年間を通して生活の中ではクリスマスが一番重要です。(宗教的には復活祭が一番重要ですが)
クリスマス時期のウィーンの街はまた素敵です。
今日はそのクリスマスの習慣について少しまとめておきます。
現在世界の多くの国が、12月25日の「クリスマス」を祝います。
ドイツ語ではWeihnachten (ヴァイナハテン)と呼ばれています。
このクリスマスというのはどこから生まれたのでしょうか?
313年にキリスト教を公認したコンスタンティヌス帝の時代、おそらく325年のニケーアの公会議で、もしくは336年12月25日にローマ帝国でキリスト降誕祭が行われているのはほぼ確実とされていることもあり・・・あるいは354年とも?・・・いずれにしても325年~354年にイエスの生まれた日が12月25日に定められたようです。
聖書の中にはイエスがいつ生まれたかというハッキリした記述はありません。
当時ローマ帝国は多神教で、キリスト教はそのひとつであったわけです。
キリスト教は様々な異教に出会い、その祝祭日をキリストの誕生日にせざるおえなかったわけです。
言い方を変えれば、当時ローマ帝国で普及していた太陽神側にもいい顔をし、自ら認めたキリスト教側にもいい顔をして・・・というように帝国をまとめるための苦肉の政策のようにも見えます。
以下3つの大きなお祭りがクリスマスのベースとなっています。
①その多神教の中での太陽神ミュトラスを信仰するミトラ教はとても重要で、
太陽神の誕生を祝う冬至祭が12月25日であったこと。
②農耕の神サトゥルヌスを崇め、豊穣を祈願するお祭りのサトゥルナーリア祭、
これは紀元前217年頃からあったとされています。
③北欧のユールの祭りからも影響を受けています。
北欧においてもケルト、ゲルマンが信仰していた神々やその風習が取り入れられ、
収穫の感謝と太陽の復活を祝う冬至のお祭りがありました。
これらの習慣が現在私達の時代のクリスマスのベースになっていたわけです。
人間が今まで築き上げた歴史の長さから比べれば、私達はそのほんの一部分しか生きられないわけですから、この現在のクリスマスの習慣が何百年後かには変わっているかもしれませんね。