ウィーンの街には7つもの代表的な美術館があります。
その中でヨーロッパ3大美術館のひとつにも数えられている美術史博物館に行く人は多いでしょう。
ここは他の美術館とは全く違う内容で、ハプスブルグ家が所有していた地域の円熟した作品だけが集められていて、15世紀~18世紀の絵画・・・ゴシック~ルネッサンス~バロックの素晴らしい絵画が楽しめます。
その他にはベルヴェデーレ宮殿のオーストリアギャラリーの特に上宮に行く人も多いでしょう。
ここはクリムトやシーレ、印象派などで有名です。
私も絵画は好きなので、仕事でも個人的にも頻繁に訪れます。
これらの作品を見ているとウィーンの街の歴史的な立場というのがよく理解できます。
さて、今日はその7つの美術館のひとつであるレオポルド美術館について少しまとめます。
Leopold Museumは美術史博物館や自然史博物館があるマリア・テレジア広場の奥にあるMuseumsQuartier(MQ)という博物館地区があります。
MQは1725年馬小屋として建てられたバロック建築ですが、ここは2001年にこの建物を残し、その中庭空間を大きく改築し、モダンなスポットに生まれ変わりました。
その中庭空間には白のMuschelkalkで建てられた建物があり、これがLeopoldmuseumです。
Muschelkalkとは貝類化石を伴う石灰岩で、この空間に洗練された雰囲気を与えています。
この美術館の名前になっているRudolf Leopoldと彼の妻であるElisabethのプライベートコレクションがベースになっていて,現在では年間350.000人が訪れています。
この建物はオーストリアの建築家Ortner&Ortner(Laurids und Manfred Ortner)のプランによるもので40m x 46m、高さが24mです。
入口は小さくてチケット売り場やクロークのスペースも細長く決して広くはありませんが、奥に入ると左の写真に見られるように非常に明るい洗練されたくつろげる空間になっています。
ここは1階、3階、4階、地下1階、地下2階が展示フロアとなっていて、2階にミュージアムショップがあります。
ここがオープンした2001年からは日本からもこのレオポルド美術館を訪れる多くのツアーがあり、最初の数年間はかなり頻繁にここを御案内しましたが、やはり美術史博物館やオーストリアギャラリーに行くことが圧倒的に多いので、最近残念ながら日本からのツアーでは行くことがとても少なくなりました。
でも私は個人的にこのレオポルド美術館は好きです。
ここはたいてい空いていて、とても静かで自分のペースでのんびりと絵画を鑑賞することができ、展示内容もとても面白いです。
4階にはクリムト、オスカー・ココシュカ、コロマン・モーザ、ウィーン工房などの展示が充実しています。特にベルヴェデーレ宮殿とは違った左上に見られる死と生やウィーン大学からの医学の下絵などとても興味深いものがあります。
3階はエゴン・シーレです。
このレオポルド美術館はエゴン・シーレ世界最大のコレクションを所有していて、シーレの油彩、デッサンなどがとても充実しています。
シーレファンの方はここは必見でしょう。
Rudolf Leopoldさんはとにかくシーレを多く収集しました。
彼の職業は医者ですが、1950年代からは絵画を積極的にコレクションしてきました。
この3階シーレのフロアは彼の生い立ちから28歳で亡くなるまでの系統立てた展示内容となっていて、多くの写真や資料なども見られます。
(シーレは以前地下1階に多く展示されていましたが、現在は3階に移っています)
地下1階、2階は特別展示コーナーとなっていて、定期的に斬新なモダン芸術などが展示されています。
このレオポルド美術館は有難いことにフラッシュなしでの写真撮影がOKです!
ここは火曜日が休館ですが、6月~8月は火曜日もオープンしています。
10:00~18:00が通常のオープン時間、木曜日は10:00~21:00です。
※現在のレオポルド美術館は展示レイアウトが変わっています。(2020年追記)