ウィーンの建物にはたいてい中庭があります。
中庭空間は外からは全くわかりませんから、街中を歩いているだけでは気付きません。
皆さんがウィーンの街を歩き、建物の前を通りかかるまさにその建物の中に中庭があります。
そんな時に中庭に入ってみると外は全く違う世界があります。
前回の知られざる美しい中庭風景47では軍事史博物館を取り上げましたが、今回は旧市街です。
こちらは四角形それぞれ4つの辺に綺麗に囲まれている中庭空間です。
木々や花、芝生が植えられていて旧市街の中にも関わらずホッとさせてくれます。
実はこの中庭の緑はここ数年で手が入れられて、とても綺麗になりました。
聖人の像が見られますが、ここはウィーン旧市街地Johannesgasse8番地です。
Johanessgasseはケルントナー通りに通じているあまり人通りが多くない通りですが、外からはこんな空間があるとは全く思えません。
建物が地面に接している部分を見ると小さめの窓が多くあることに気づきます。
これはちょっとした地下部分があり、こちらの建物にはよくあることです。
こちらもJohanessgasse8番地の1枚目と同じ中庭ですが、今度は上階部分を見ています。
天窓がたくさんあって屋根裏部屋が作られていることがわかります。
ここは1660年にウィーンに呼ばれたウルズラ修道会の建物でしたので、修道会によくある回廊的構造で作られていて、宗教的な物が現在でも多く残っています。
その後ウィーン国立音楽大学の学生寮として使用され、改装された後、現在では"ÖJAB"(Österreichische JungArbeiterBewegung)がやはり学生寮を提供しています。
このようある歴史ある建物が学生寮として使われているのもおもしろいですね。
このJohaneesgasseは歴史ある建物が多く並んでいます。
知られざる美しい中庭風景33ではJohanessgasse15番地について書いています。