今年も待っていたSchilcher Sturm(シルヒャー・シュトゥルム)がグラーベンにやって来ました。
STURM (シュトゥルム)とは収穫後のブドウを絞り、そのブドウジュースの発酵が始まった飲み物です。
収穫したブドウをプレスして、発酵させてワインにするわけですが、ブドウジュースの甘さと発酵しているガスが混ざり、さらにアルコールが少し出始めた絶妙の飲み物で、言ってみれば"濁り酒"です。
この時期街中のレストランや市場などではSturmがありますよ~という張り紙をよく見かけます。
Schilcher Sturmは同じSturmでもちょっと違うもので話題性があり、皆さんが待ち焦がれていたものです。
"Schilcher" (シルヒャー)とはオーストリア産の"Blauer Wildbacher"という赤ワインになるぶどうの品種からできたワインの名称です。
特に"Wildbacher"という品種からできたワインは明るい赤色になることからロゼとも言われます。
グラーツを州都とするシュタイヤーマルク州ではロゼのワインが作られることで有名で、"Schilcher" はシュタイヤーマルク産のワインだけに用いられる登録商標です。
そのロゼワインになる途中の発酵中の飲み物ももちろんシュトゥルムと言われますが、特にこの場合のシュトゥルムは"Schilcher Sturm"(シルヒャー・シュトゥルム)と言われています。
私はここのオーナーとは数年来の顔見知りで、言ってみればここの常連です。
毎年この時期になると時間があれば仕事の後に立ち寄ってSchilcher Sturmを飲みながら世間話をしています。
今年は今週木曜日が初日でしたが、私はザルツブルクに行っていたので昨日の土曜日、今年初めて立ち寄りました。
オーナーがすぐに話しかけてくれて、"よ~、元気か~?" と話が始まり、すぐに今年最初のSchilcher Sturmを御馳走してくれました。
今年最初のSchilcher Sturmは期待していた甘さがすでにちょっと欠けていて、酸味を感じました。
おいしかったですが、発酵過程がちょっと進んでいた気がしました。
オーナーに話したら「来週持って来るのはきっとちょうどよくおいしいぞ」と言ってました。
このスタンドでは白ワインになる途中の一般的なシュトゥルムも提供されていますが、その右隣にある大き目の樽がSchilcher Sturmです。
Grabenのこのスタンドが出るのは木、金、土曜日の3日間が基本ですが、日曜に出ることもあります。
その時にウィーンにいる方は是非飲んでみて下さい。
多くの地元の人が飲んでいますので、飲みながら世間話をするのもまたいいです。