ウィーンはかつての帝国の都だったので、"食文化"も発達しています。
かつてのハプスブルグ帝国時代にはヨーロッパの色々な地域を領土として持っていましたので、それぞれの地域の郷土料理がウィーンに集まって、"ウィーン料理"が生まれてきました。
世界の街の名前が付けられて "~料理"と言われる街はあまりありません。
ウィーンは"ウィーン料理"と言うのが当たり前です。
ウィーンの3大名物料理と言えば、Wiener Schnitzel (ヴィーナーシュニッツェル)、Zwiebel Rostbraten (ツヴィーベルローストブラーテン)、Tafelspitz(ターフェルシュピッツ)でしょう。
この中で最もポピュラーな料理はWiener Schnitzelだと思います。
団体ツアーでも必ずと言っていい程食事に組み込まれていますし、個人のお客様と食事をする時もよくお勧めしています。
この3つのウィーン料理はどれも個性があっておいしく、日本人の味覚に合うと思います。
さて、この3つのウィーン料理の中でTafelspitzだけはお気に入りの店があり、個人的にもまた仕事でもよく御案内しています。
今日はこの店のTafelspitzを話題にします。
"Tafelspitz"とは時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が好んで食べた料理で、牛肉の煮込み料理です。
Tafelspitz(牛のおしりと太ももの一番上との間のあたりの肉)をかたまりで何時間も煮込んで、そのやわらかくなった肉をスライスして、リンゴに西洋わさびが入ったソースとSchnittlauchソース(白のクリーム状のソースにチャイブがまざったもの)を肉にかけて食べます。場所によってはほうれん草のソースが出る所もあります。
これに炒めたジャガイモが添えられます。
これを食べるなら是非PLACHUTTA (プラフッタ)に行きたいですね!
PLACHUTTAでTafelspitzを頼むと左上の写真に見られるように出されます。
鍋に入ったスープと牛肉、2種類のソースと焦げ目があるカリカリに焼かれた黒パンです。
写真には見られませんが、炒めたジャガイモも出てきます。
この鍋の中には柔らかく煮込まれたターフェルシュピッツと肩肉の2種類の牛肉と多くの野菜が入っています。
最初にこのスープを飲みます。
このスープが本当においしいんですね。
口に入れた瞬間にコクのあるおいしさが広がります。
スープのトッピングを選べますが、私個人的にはFleischstrudelが好きです。
左上の写真には2つのFleischstrudelが入っています。これがこのスープのおいしさを更に引き立てます。
スープの量は結構多いですから、数杯飲むことができます。
スープを飲んだ後は、いよいよメインの肉を取り出します。
PLACHUTTAの場合はたいてい係がサーブしてくれます。
牛肉、ジャガイモ、2種類のソース、Knochenmark(クノッヒェンマルク・・・骨髄)です。
何時間も煮込んでいますからお肉も柔らかく、ソースとの相性もバッチリです。
2種類の牛肉はそれぞれ種類が違いますから味も少し違います。
Kucnochenmarkは中の部分をすくってカリカリのパンにのせて、塩をかけて食べるのが一般的です。
これもおいしいですよ。
私はメインを食べた後、スープがまた飲みたくなるので、スープの器をキープしておくこともあります。
スープの器はメインを食べる時に係が下げてしまいます。
でも、後からまたスープを飲みたいと言えば、ちゃんときれいな器を持って来てくれます。
Tafelspitzと言えばPLACHUTTAでしょう。
このPLACCHUTTAのTafelspitzはくせになる味なので、仕事でも個人的にもよく食べに行きます。
PLACHUTTAは本来の3店舗を始め、現在ウィーンの中には6店舗あります。