ウィーンに観光で来てケルントナー通りを歩かないという人はまずいないと思います。
たいていのガイドブックでは一番の目抜き通りと紹介されているケルントナー通りは国立オペラ座とシュテファン大聖堂という2つの重要な建造物を結んでいて分かりやすい通りです。
美しさからすればグラーベンの方がずっと綺麗ですが、ケルントナー通りの方が観光では重要かもしれません。
そのケルントナー通りとグラーベンが交わる角にはPalais Equitableという立派な建物があり、その建物の角の所にまず観光の方は気がづかないStock im Eisen
(シュトック・イム・アイゼン)という有名なものがあります。
これは無数の釘が古い木に打ち込まれているというちょっとおもしろいものです。
Stock im Eisenと言うとこの場所を思い浮かべる人がほとんですが、ウィーンには別の場所にもStock im Eisenがあります。
シュテファン大聖堂の近くにあるSotck im Eisenは透明なプラスチックケースに入っているように保護されていますが、こちらの方は外にそのまま記念像的置かれています。
2段の台の上に荒削りの石が置かれ、その石の上に釘がたくさん打ち込まれた木が立っています。
錠前屋や鍛冶屋の修行旅行でその場所に自分が来て、試験に合格した後に、それを永遠化するために釘を打ち込んだという同業者組合の習慣によるもので、この習慣は1715年ぐらいから見られます。
この場所はウィーン8区のWickenburggasseで、ちょっと広場のような雰囲気です。
このStock im Eisenが置かれている場所にはビーダーマイヤー時代の1835年に建てられた建物があり、そこは1899年に錠前屋同業組合によって買い取られました。
右上の写真はその建物に見られる銘板で、ウィーン錠前組合700年記念である1988年にこのStock im Eisenがここに置かれたことが記されています。数百年に渡るウィーン錠前屋の古いシンボルということです。
このような歴史がウィーンの街の至る所に見られます。