スタインウェイと並んでウィーンの世界的に有名なピアノメーカーにBösendorfer(ベーゼンドルファー)があります。
日本では圧倒的にスタインウェイが多いと思いますが、ウィーンではたいていの音楽大学にはBösendorferが見られますし、国立オペラ座や楽友協会ホールにだって置かれています。
このBösendorferの工場には仕事で訪れることが多くあり、今年2月の終わりにもまたここを訪れる機会がありました。
Bösendorferの工場に仕事で訪れる時には通訳としての仕事になります。
日本から音楽大学や調律関係の皆様とここを訪れることが多いので、普通の観光ではもちろんここには来ません。
ここでは工場見学が主な内容で、その後ショールームを見せてもらいます。
ここは以前工場見学でも構わず写真が撮れましたが、現在では撮影は禁止されています。
入口は2つありますが、左上に見られるショールームに通じているこのモダンな入口から入ります。
入口が鍵盤になっていますね。上にはBösendorferの定番なロゴが見られます。
右はグッズが売られているショーケースです。Bösendorferのロゴが入ったコーヒーカップやUSBメモリーなどが売られていて、見学後に買う人もいます。
工場が撮影禁止であるため、ここに掲載することはできませんが、ピアノに興味ある方にとっては大変に興味深い場所ですよ。
木を乾燥している所から始まって、それぞれの木がピアノのそれぞれの部品に加工され、ピアノの形を作り、ハンマーを始めとしたメカニズムが入れられ、弦を張って音の調整から梱包までの全ての行程を見学することができます。
これを見るといかにBösendorferのピアノがひとつひとつ丹念に手で製造されていくかということがわかり、値段が高いのも納得できます。
上の2枚の写真はショールームです。この時御一緒した調律専門の皆様が試弾しています。
右に見られる腕を組んだ男性がマーケティング担当で工場を案内してくれた方です。
ベーゼンドルファーは1828年にIgnaz Bösendorferによってウィーンで設立されました。Ignazは当時有名なピアノ製造業者であるJpseph Brodmannnの下で学んでいます。Brodmannのピアノはベートーヴェンやウェーバーなどに演奏され、高く評価されていました。
Bösendorferは1839年にはすでに皇帝から"k.k Hof-Klaviermachers" という称号を楽器製造業者として初めて与えられています。1859年に彼が亡くなり、当時24歳だった彼の息子であるLudwig Bösendorferが引き継ぎました。k.kの称号はお父さんに与えられていたため、息子は新たに宮廷に申請し1866年に取得しています。
1870年には現在のウィーン4区のGraf-Starhemberg-Gasseに工場が開かれ、ついここ数年前までこの場所も練習室やBösendorfersaalというちょっとしたホールもあって使用されていましたが、現在ここは閉じられています。
1973年にピアノ工場をこの場所Wiener Neustadtに移して以来、現在もそこで製造されています。