オーストリアワインと言うと日本では残念ながらメジャーなワインではありません。
しかしオーストリアワインはヨーロッパでも最も厳格なワイン法によって製造されていて、質が高く、アルコール度が高いボリュームワインが生まれます。
EUのワイン法があり、それに加えてオーストリア独自のワイン法が守られています。
私のこのホームページにもオーストリアワインのカテゴリーがあるので参照して下さい。
今日はこのワインについてウィーンだけで見られる称号について少しまとめます。
こちらはワインに張られているラベルですが "WIENER GEMISCHTER SATZ"(ヴィーナー・ゲミッシュター・ザッツ)と書かれています。この名前は2009年以来から登場し、それ以前には見られなかった称号です。
"gemischt"というドイツ語は混ざったというような意味ですが、手っ取り早く言えばいくつかの異なったぶどうの品種を混ぜて製造されたワインです。
オーストリアワイン法では、ひとつのぶどう畑には少なくとも3つの異なる品種を植えてそこから作られたものであり、ひとつの品種の占める割合が(使用頻度が最も高いブドウ)最大で50%を超えないこと、最も少ない品種でも10%以上と定義されています。
つまりひとつのぶどう畑に隣り合って植えられている異なったぶどうを混ぜるということです。
また、全てのぶどうが同じ時期に収穫されてプレスにかけられます。
それによってワインの原産地特性を反映した風味を映し出し、独自のスタイルを生み出します。
そのためこのWiener Gemischter Satz には"DAC"マークも入ります。
DACとはDistrictus Austriae Controllatus(ディストリクトゥス・アウストリエ・コントロラトゥス)の略です。
Wiener Gemischter Satzにおいては少なくとも3つの白ワインの品種が混ぜられるわけですが、中でもGrüner Veltliner, Riesling、Weißburgunder、Neuburger、Gewürztraminerなどがポピュラーです。
ウィーンだけに用いられるというこの称号は当然ウィーンのぶどう畑から作られたワインであるわけで、具体的にStammersdorf,Strebersdorfといったウィーン21区、Nußfdorf,Neustift am Walde,Heiligenstadt,Grinzingなどの19区、Mauer,Rodaunといった23区などで作られています。
2009年のEUワイン法以来、オーストリアはこのGemischter Satzという表現をオーストリア独自のものとして使用することが許されています。
つまりこのGemischter Satzはオーストリア以外のEU諸国では一切使用することができません。
オーストリアだけに用いられる称号でありますが、実際には前述したようにウィーンのぶどう畑から作られたワインだけに用いられる称号です。
機会があれば是非飲んで下さい。
オーストリア典型的な辛口のシャープな味を残しながら香りとコクがあるワインとなっています。