ウィーンは"バロックの都"ともよく形容され、ヨーロッパで重要なバロック建築が多くあります。
特にシェーンブルン宮殿とベルヴェデーレ宮殿はウィーンの2大バロックの宮殿として重要な観光スポットとなっています。
バロック宮殿には庭園がつきもので、庭園にはBrunnen(ブルンネン)と呼ばれる泉が多く作られています。
シェーンブルン宮殿の美しい泉、ベルヴェデーレ宮殿のKaskadenbrunnenなどは以前もこのコーナーで話題にしています。
シェーンブルン宮殿の美しい泉に行く方はあまりいらっしゃらないと思いますが、逆にシェーンブルン宮殿のネプチューンの泉は誰もが目にするものではないでしょうか。
シェーンブルン宮殿のネプチューンの泉は宮殿裏側の庭園にあり、宮殿からだと正面奥に見える泉です。
左上の写真は庭園からネプチューンの泉を見ています。
右上の写真は逆にネプチューンの泉から宮殿を見ています。
このネプチューンの泉はマリア・テレジアのもと庭園を改造する際、1780年に作られました。
その4年前に先立って、宮廷建築家Johann Ferdinand Hetzendorf von Hohenbergのもとで水盤が発掘されたことから始まっています。
この泉はマリア・テレジアが亡くなる前に完成しています。
設計はほぼ前述したHohenbergであろうということになっていて、彫刻群はWilhelm Beyerによるものです。
池のような大きな泉の中央にネプチューン群像が配置されていて、大きく3段構造になっています。
中央に立ちはだかっているのが海の神ネプチューンで、彼はフォークのようなものを持っています。
そこから滝のような勢いで水が流れ出し、下に注がれていきます。
ネプチューンの左側にはニンフが、右側には海の女神テティスがいます。
ニンフは海の豊かさの象徴で、テティスはネプチューンに自分の息子アキレウスがトロイアに向かう海の道のりを容易にするように頼んでいます。
周りにはネプチューンを引っ張る4体のトリトンが馬と共に表されていて、海を渡って行きます。
彫刻群は南チロルSterzing産の白大理石です。
長さ101.6m、幅44.8m、高さ7.4mです。ネプチューンは16世紀~18世紀には非常に好まれたテーマとしてよく登場します。
是非近くに行って見て下さい。