先日、去年と比べると難民が非常に少なくなったことについて触れました。
2015年の夏ぐらいからかなり話題になっていた難民問題ですが、その時と比べれば難民問題が新聞に取り上げられることが確かに少なくはなっています。
しかし、難民達がヨーロッパ圏に来るのを諦めたわけではなく、その周辺地域では今でも多くの難民が機会を窺っていて大きな問題となっています。
EUは制限をかけても根本的な解決にはなっていないという状況です。
例えばローマでは今年1月~5月までに10.520の難民申請がありました。
去年の同じ時期と比べるとなんと53.1%のマイナスです。
ヨーロッパ主要国での難民申請の数も参照して下さい。
制限をかけたことによって外からヨーロッパを目指す難民達はより生命に危険を与える地中海ルートを選んでいます。
ドイツ当局によれば現在でも600万人の難民達が地中海経由ヨーロッパ等到着の機会を窺っているということです。
その内300万以上の難民がトルコに、また周辺国に留まっています。
以下周辺諸国に留まっているの難民の数です。
※2017年6月13日のÖSTERREICHより
右の表を見て下さい。
トルコに300万、エジプト、リビアに100万という難民が待機しています。
トルコはEUの玄関口ですから一番多く集まっているというわけです。
今年1月から6月までに72.000人の難民が地中海を渡り、その85%がイタリアに到着しています。
バルカンルートは制限されていますので、イタリアに集中している状況です。
ほぼ毎日のように救助活動があるということですが、それでもすでに1.700人の難民が命を落としています。
トルコ | 300万人 |
エジプト | 100万人 |
リビア | 100万人 |
ヨルダン | 72万人 |
アルジェリア | 43万人 |
チュニジア | 16万人 |
モロッコ | 5万人 |
キプロス | 302人 |
オーストリアにおいては生活、観光には何の影響も見られません。