普段はあまり行かない地域のホイリゲ

オーストリアのワイン産業は重要で、しかもヨーロッパではもっとも厳しい国家規定を経て瓶詰めされて市場に登場します。ウィーンの中にもブドウ畑があり、外側のNiederösterreich、Steiermark、Burgenlandなどには広大なブドウ畑がたくさん広がっています。オーストリアは全ての州でワインが作られてはいますが、大部分は標高が高くなくアルプスに引っかからない地域で営まれています。ブドウ畑があるとうことはたいてい近くに昔からのワイン産業農家が多く存在し、"ホイリゲ"という一般的な呼称でレストラン、居酒屋(日本とは雰囲気が全く違いますが)を経営し、同時にそこで製造されているワインを買うことができます。郊外に遊びに出かけた時など近くにあれば帰りにふらっと寄って行きたいホイリゲが多くありますが、今日は普段あまり行くことがない地域のウィーンの一角にあるホイリゲを少し紹介します。

 

このホイリゲはウィーン23区のMauerにあるSteinklammerと言う店です。ここは店の記録によれば1697年には登場していて、2世代目からはワインをすでに提供していたようです。意外と目立たない所にありますがここの正確な住所はJesuitensteig 28です。

入口も目立たちませんが、奥の方からたくさんの人が話している賑やかな声が聞こえてきます。客席と意図的に仕切られた垣根に沿って奥へ歩いていくとこの右の写真に見られるこの店のメインの建物に辿り着きます。この建物自体も情緒があって素敵ですが、陽気が良ければテラスで皆さんが楽しみますので、中はガラガラで一組しか座っていませんでした。ホイリゲと言えばややっぱりテラスや庭で楽しむという方がピンときます。


 

左の写真は中庭で見ることができるこの店の看板で、右は店のロゴです。

 



 

中庭はかなり広く、大きく2つの部分から成り立っています。たくさんの人が座っていますね。この日は誕生日パーティーをしていた地元の家族団体がいたので、かなり賑やかでした。緑も多くたくさんの花も植えられていて居心地がいい中庭です。建物の中はたくさんの木が使用された農家風の内装で、暖かくいい雰囲気です。

このホイリゲはこの場所ウィーン23区のMauerとウィーン21区のBisamberg界隈にブドウ畑を所有していて、家族経営であり、もちろん自家製の瓶詰されたワインも販売されています。21区と23区はウィーンで地理的に180°正反対であり、北と南の端っこです。お互い同じウィーンにあるブドウ畑ですが端っこ同士で、気候や土壌にも違いがあることから作られているワインも違います。オーストリアワインは奥が深いですね。

 

オーストリアにはこのような地元だけでよく知られているホイリゲがたくさん存在しています。

 

 

 

 

 

 

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