ウィーンのカフェは文化の一面で、100年以上も営業しているカフェハウスがたくさんあります。
カフェ発祥とも言われているウィーンの街ですから、伝統カフェハウスに座ってカフェハウスの空気に触れることもウィーンの観光では外せません。
ウィーンのカフェハウス文化は無形文化遺産にもなっていて、完全に生活に密着しています。
さて、カフェハウスと言えば5月23日付でウィーンで唯一の"Fenster CAFE" (窓のカフェ)を紹介しましたが、その後ここを初めて見た時に直感で思った通り、私は常連となっていました。
そもそもこの場所自体がGriechenviertel(グリーヒェンフィアテル)と呼ばれるウィーン旧市街一角の歴史ある地域で、ここは17世紀中頃からオリエント貿易を営むギリシャ人の商人が多く住み始めたことから由来しています。
ここにはウィーン最古の "グリーヒェンバイスル"という話題性あるレストランがあり、日本からの団体ツアーでもよくここで食事があること、また個人的にもこの界隈は仕事が終わった後、頻繁に通る地域だったのです。
そのレストランの向かいにまったく空気が異なる小さなこの窓のカフェが5月半ばにオープンしたわけで、それからというもの仕事の後にしょっちゅう訪れることになり、私は完全に常連となりました。
ひとつはここのコーヒーがとてもおいしいことです。
ここのオーナーはコーヒーの質にこだわりがあって、本当にいい豆を仕入れていて、ウィーンのカフェハウスやレストランに見られるよりもはるかに高価なカフェマシンを使用しています。
オーナー自慢の豆もここで買うことができます。
私が個人的に好きなのはここで提供されている全てのカフェがアイスコーヒーでも提供されるということです。
ウィーンのカフェハウスでアイスコーヒーと言うと、Wiener Eiskaffeeを真っ先に思い浮かべます。
これはこれでおいしくてウィーンを感じる飲み物だと思いますが、日本的なアイスコーヒーとはかなり違います。
でもこの窓のカフェでは日本的なアイスコーヒーからカプチーノやラッテまで希望すれば全てアイスコーヒースタイルで出してくれます。
もちろん、ホットなコーヒーも売りですが、アイスコーヒーにもオーナーはこだわりを持っています。
特にCOLD BREWはアイスコーヒーを本当に飲みたい方にお勧めです。
右上の写真は私がよく飲んでいるLATTEですが、仕事の後の喉の渇きを潤すのによく飲んでいます。
ここは壁にひとつの窓があるだけで、椅子があって座れるカフェではなく、持ち帰りスタイルとなっていますが、私はここに来るたびにオーナーと世間話をしています。
隣のグリーヒェンバイスルで働いている多くのボーイさんとも顔見知りなので、ここでカフェを飲んでいると、「今度はうちのカフェを飲んでくれよ」とか「今日はうちで食事じゃないの?」とか笑いながらよく冷やかされています。
"窓のカフェ"というアイデアもおもしろですが、コーヒーの味と質にこだわる所が気に入っています。
今日も仕事の帰りにきっとここで喉を潤すことになるでしょう。