今年の5月29日付でヨーロッパ主要国での難民申請の数について書きました。
難民問題は一昨年の夏頃から始まりましたが、受入数の制限などもあり状況も変わり、今年の5月までの数を見てもかなり少なくなり、申請数は半分以下となっています。
難民申請をしたからといってオーストリアに残れるわけではありません。
申請後はその人物が本当に難民として正当なのか審査が行われ、難民として認められなければ強制送還となります。
オーストリア内務省によれば今年だけで4.794人の難民を強制退去させました。
その内に1.855人の難民自らがオーストリアを去って行きました。
この数は去年2016年と比べると77%も増えています。
今年1月から5月までの難民申請数を去年と比較してみましょう。
※Bundesministerium für Inneresより
<2016年>
<2017年>
1月 | 5.956 |
2月 | 5.129 |
3月 | 3.355 |
4月 | 4.162 |
5月 | 3.795 |
合計 | 22.397 |
1月 | 2.220 |
2月 | 2.082 |
3月 | 2.178 |
4月 | 1.908 |
5月 | 2.132 |
合計 | 10.520 |
去年と比べると難民申請数は半分以下となっています。
これは根本的に難民の受け入れを制限していることを示しています。
しかし、難民申請がオーストリアでは少なくなった=難民問題が解決しているわけではありません。
未だに多くの難民がトルコ、ヨルダン、アルジェリアといったEU周辺地域に待機しています。
何回もここに書いていますが、難民問題は観光や生活には何の影響もありません。