公認ガイドとして一言シリーズ 6 "ガイドは歴史的時代背景やキリスト教をベースに様々な分野を関連付けて案内します"

単純に"ガイド"というと、何がどこにあるかわからないからその場所がどこにあるか教えてもらったり、連れて行ってもらえたり・・・という意識が強いかもしれませんね。

もちろん、それだってガイドの仕事のひとつで、何がどこにあるかということを知っておくことは重要です。

それ以外、例えば言葉が全くだめなのでショッピングや食事などにアテンドして欲しいというお客様も多いわけで、それだってガイドの重要な仕事のひとつです。

でも、その場所にお連れしたり、ショッピングなどのお手伝いをするだけなら正直言ってウィーンに長く住んでいて街の様子を知っている人であれば、学生や主婦の片手間でもできるわけです。

 

ちなみに、オーストリアでガイド業務ができるのはオーストリア政府から公認されたオーストリア国家公認ガイドでなければいけないという法律がありますし、ショッピングや食事のアテンドの仕事をするにもオーストリア国家公認ガイドか正規に登録しているReisebetreuer(アシスタント)でなければいけません。

そのため、国家ガイドライセンスを所持していない学生や主婦が労働許可なしに観光案内をしたり、アシスタントの登録もなしに日本からのお客様をアテンドしてお金を頂く場合は違法行為となります。

この場合は"ノーライセンス"と"不法労働"の2つの罰金が課せられます。

そのような方がインターネット上でサービスを提供しているのがまだ見られますが、私達業界ではオーストリア連邦産業院と連携して対処を始めています。

 

ちょっと話が脱線してしまいましたが、それがどこにあるかだけではガイドとは言えません。

 

例えばシュテファン大聖堂に御案内する場合・・・シュテファン大聖堂までお連れして、「ここがシュテファン大聖堂ですよ、では写真を撮って下さい・・・」こんなのは案内ではありません。目的の場所に行っただけですから前述したように学生でも主婦でもできます。

シュテファン大聖堂がいつ、誰によって、どんな状況で建築され、今日に至るまで何があったか、どのような様式であるか、どのような歴史的エピソードがあるのか、大きさは?高さは?大聖堂の内部案内・・・主祭壇はいつ頃に作られた?何が描かれている?内部構造? キリスト教においての意味は?・・・・ゴシック様式であるシュテファン大聖堂・・・ではゴシックって何? いつ頃のこと? 特徴は? どんな歴史的背景から生まれた様式? 考え方? ・・・ありとあらゆる角度から御案内できますから全く終わりがありません。

このような時代背景を関連させて説明できなければガイドではありません。

シュテファン大聖堂ひとつ例にとってもとても奥が深いわけで、国家公認ガイドはこれをウィーンだけではなく、オーストリア全土に渡って学ぶわけです。

 

正規のオーストリア国家公認ガイドとの観光はガイドブックを見ながらとの観光や、オーディオガイドを聞きながらの観光とは全く比較することができません。

 

 

 

 

 

 

 

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