ウィーンの街には中心を始め、外側を含めて星の数ほどのレストランがあります。
仕事ではグループの皆さんや個人のお客様と色々なレストランに行きます。
一般団体ツアーの場合はバスが止められる場所を考慮したり、レストランが団体を受け入れてくれることなど条件もあって、ある程度限られたレストランになりますが、逆に頻繁に訪れます。
個人旅行の皆様とはその時の状況で何を召し上がりたいか、どこを観光しているかや疲労度、お腹の空き具合などで臨機応変に決めることが多いです。
知られたレストランはどうしても中心部に多くありますね。
このコーナーでもレストランはたまに話題にしていますが、今日のレストランは地元の人に知られていて、あまり観光の方が来ない、しかし有名な場所にあるレストランについて少し書きたいと思います。
こちらはGasthaus TIROLERGARTENというチロル地方にある山小屋風のレストランです。
名前になっているチロル庭園はシェーンブルン宮殿の庭園の一角にあります。シェーンブルン宮殿の庭園と言っても広大な敷地で、通常観光ではあまり訪れることができない、しかし有名な丘の上に立つグロリエッテを正面に見て、そのグロリエッテの右側奥に入った一角にあります。
ハプスブルグ家のヨハン大公(1782-1852) がこの場所に1803年Tirolerhofというチロル風農家の建物を作らせ、ちょっとした酪農を営み、アルプス庭園を配置しました。
ヨハン大公は皇帝レオポルド2世の息子の1人で、兄はフランツ2世/1世皇帝ですからマリア・テレジアの孫ということになります。
ヨハン大公は若い頃にシェーンブルン宮殿庭園のこの場所で最初の狩猟の授業を受けました。
そのTirolerhofのすぐ横に1997年このGasthausが建てられました。
左上の写真は正面入り口で、ここはこのシェーンブルン宮殿の庭園のこの場所にいる人であれば誰でも入ることができます。裏側からも入れますがそこはシェーンブルン宮殿の動物園の敷地であるため、動物園にいる人であればそこから入ることができます。
中に入ると外から想像したようなログハウスのようです。オーストリアの田舎によくあるペンションのような印象で温かい雰囲気です。寒い時には中でもいいでしょうが、陽気のいい時には外で食事をしたりお茶をするのが好まれていますので、この日はとてもいい天気でしたから中はがら空きです。