ウィーンの街はかつての帝国の都でしたので荘厳で美しい建造物がたくさん立ち並んでいます。
そのような建物の多くにはヨーロッパの色々な建築様式を見ることができますから街も華やかに見えます。
外観にも内部にも美しいアーチ構造を持つ建物が多く、そのようなアーチ構造は独特の美しさがあります。
前回のアーチの奥に見える風景17ではベルヴェデーレ宮殿とウィーン旧市街地のJohannesgasse15番地を話題にしました。
今回は旧市街と郊外からひとつずつ取り上げます。
こちらはかなり特徴的なのでウィーンに詳しい方であればここがどこだかすぐに見当がつくと思います。
たくさんのギリシャ神殿的な柱が並んでいます。
ギリシャ神殿スタイルの柱と言えば国会議事堂がすぐに思い浮かびますね。
国会議事堂はリンク道路沿いに1883年にテオフィル・フォン・ハンセンによって建築された荘厳なギリシャ神殿スタイルの建造物です。
国会議事堂の正面部分の空間を横から国立オペラ座方面に向かって眺めていて、奥の方に国会議事堂の一番左の部分が見えています。
柱の上にはよく見ると"Kompositkapitell" (コンポジットカピテル)と呼ばれている装飾があります。
コンポジットカピテルはイオニア式とコリント式を組み合わせたものです。
柱の並びなので"アーチ"ではありませんが、柱の並びがアーチを覗いたような空間を形成していて、回廊的です。
正面から見える決まった姿以外にも見る視点を変えて建造物を観察するのもおもしろいです。
こちらはルネッサンス的アーチが直角に並んでいる空間から外を見ています。つまり正面側と横にもアーチ構造が見られます。どこかの修道院の中庭の回廊を思わせます。同じような構造をしている建物が奥にも見えていますね。アーチを支えている柱も印象的です。
天井からはユーゲントシュティールを思わせるような丸い電気が吊らされています。
奥の方に見えているのはぶどう畑です。
この場所はヴァッハウ渓谷の中間地点にあるSpitz(シュピッツ)の街の一角です。この街もワイン産業が盛んです。ヴァッハウ渓谷の街には歴史を感じる古い建物がたくさんあります。