この知られざる美しい中庭風景というタイトルもすっかりお馴染みになりました。
ウィーンを始め、オーストリアには魅力的な美しい中庭空間を持つ建物がたくさんあります。
前回の知られざる美しい中庭風景 43ではメルク修道院の大きな中庭空間話題にしましたが、今回もちょっと郊外です。
こちらはルネッサンス様式の2階建てアーチ構造がとても美しい中庭空間です。
この建物は16世紀半ばに建てられ、この部分は通りに面した入口から少し入ると右側にこの美しい部分があります。
1階のアーチと2階のアーチの形が違いますね。2階部分はアーチの支えが柱のようになっていますが、1階部分は壁にそのまま埋め込まれたようなスタイルです。ルネッサンス様式のアーチ構造を持つ中庭では上下階のアーチが違うスタイルであることはよくあります。
今度はこのアーチを逆方向から眺めてみましょう。
一番奥右側に見えるアーチがこの中庭空間への入り口です。
花が飾られているのも素敵です。
この美しい中庭空間はMürzzuschlagのWiener Straße 4番地で、ここは現在ブラームス博物館として一般公開されています。
ブラームスはここに1884年、1885年の夏に計9ヶ月間滞在し、交響曲第4番などを始め、30以上の歌曲や合唱曲を作曲した場所です。
このような美しい中庭空間のアーチ構造をみると気持ちが落ち着きますね。