ウィーンはかつての帝国の都ですから荘厳な建造物が多く建ち並ぶ上品な街ですが、ちょっと郊外に出ればのどかな美しい風景が広がっています。ウィーン自体が"森の都"とも形容されているように、ヨーロッパの街の中では街の広さに対して緑の比率が最も高い街で、しかしその緑を囲むのがもっと大きな緑である"ウィーンの森"です。
このウィーンの森はヨーロッパアルプスの一番東側になります。
ウィーンにいるとあまり意識しませんが、オーストリアの地形の特徴はヨーロッパアルプスを大きく横たえて持っていることです。またドナウ河を始め多くの川がアルプスの中を流れていますので地形も複雑になっています。
豊かで美しい自然に囲まれたオーストリアでは自然を楽しむ方が非常に多く、WANDERN・・・ハイキングは大人気です。
うちも時間がある時には頻繁に郊外に出かけています。
今日はイースター休暇の時に久しぶりに行って来たウィーンの森にある地元で有名な自然公園 "Sparbach" (シュパールバッハ)を紹介します。
Naturpark・・・自然公園とは都市計画や農耕地などから保護された領域で、自治体によって維持・管理されていて、観光収入も重要な資源となっているような場所です。
オーストリア国内には現時点で48のNaturparkがありそれぞれ個性あり、豊かな自然に触れられます。
うちのお気に入りのスポットである巨大な石があるBlockheide、Hochmoor Schrems、Hagebachklammも自然公園です。
Naturpark Sparbachはウィーンの中心部より30㎞弱車で行ったウィーンの南の森の一角であるHinterbrühl(ヒンターブリュール)にあります。ウィーンの南の森は見所も多く仕事で頻繁に訪れますが、このSparbachに仕事で来たことは過去一度もありません。でも地元ではとても有名な自然公園です。
左上の写真は入口風景で、この建物がInfoセンターとなっています。
自然公園の多くは入場料がかかりますが、その分しっかり維持されていて快適に楽しむことができます。
ここは大人5ユーロ、15歳までの子供は3ユーロの入場料金です。
このSparbachはオーストリアでは一番古い自然公園で、1962年にオープンしていて、広さ355haもあり、右上の写真に見られるようにいくつかのルートと見所があります。
ただでさえウィーンの森の中にいるのですが、ここに入るともっと自然が近くなるような気がします。
奥の方にルートがどんどん広がって行きます。
右の写真に見られるのはイノシシで、ここでは野生のイノシシが多く成育していて、時として注意が必要です。
うちもこの日は数回イノシシを警戒して歩くことがありました。
それは人間が危害を加えるような空気を感じると、こちらに突進してくることがあるからです。
その時に持っていると助かるのはリンゴです。万が一イノシシがこちらに向かってきた時にはリンゴを投げて注意をそらすことができます。
ここで出会った地元のある男性は、ここで過去イノシシに噛まれたことがあったそうです。
ここのイノシシは最近子供が多く生まれて、その子供達と共に走っている姿は印象的でした。
4月10日の週でしたが、新緑も多く見られ、天気も良く、青空が広がり半袖でちょうどいい陽気でとても気持ちよく歩くことができました。
ここには池もあり、大きな鯉がたくさん泳いでいます。
視界が開けると、ウィーンの森の山々が見えて自然の中にいることが実感できます。
どんどん奥まで歩いて行くと、いくつかの歴史的スポットに出会えます。
左上は"Johannstein"という廃墟のお城で、12世紀からという記録があり、上まで登って中に入ると意外と大きな中世のお城です。
右上の写真は"Dianatempel"です。
うちはこの時、このDianatempelで持って行ったおにぎりを食べました。
左上は前述したJohannsteinからの眺めです。新緑です。
右はルートのひとつで、この脇には小川が流れています。
そこではカエルのたまごがたくさんあって、小さなおたまじゃくしがたくさん泳いでいました。
このような見晴らしがいい場所もあります。
森の中を歩くこともあれば、このような平原のような場所もあるので全く飽きることがありません。
家族連れで行けば一番賑わっているのはこの公園です。
この日も多くの子供が遊んでいました。
大人はむしろくつろいでいて、日光浴をしながら語り合っています。
オーストリアにはこのように手軽に自然を満喫できる所がたくさんあります。