ウィーンのカフェハウスは伝統を維持しながら現在でもウィーンの生活に完全に密着しています。街中には100年以上も続いている話題性があるカフェハウスがいくつもあり、それぞれのカフェハウスで "ウィーンのカフェハウス"に共通する伝統が感じられ、なおかつそれぞれの個性がしっかりと見られます。カフェハウス文化は無形文化遺産にも登録されていて、カフェの種類も様々あり、しっかりと定義されています。
団体ツアーでは皆さんとカフェに行くことはそんなに多くはありませんが、逆に個人のお客様と観光している時は頻繁にカフェにも立ち寄ります。私も仕事の空き時間などによくカフェに行って、限られた時間ですがちょっとくつろいで精神的なリセットをすることもよくあります。私の仕事はいつもたくさんのお客様に様々な御案内をするのでひとりの時間もちょっと大切です。少しでもカフェに座って落ち着くと、リフレッシュされて次の仕事にも新たな気持ちで取り組めます。
カフェハウスとしては個人的にSperl (シュペルル)が大好きで、時間があればよく行きますが、ここは中心から気持ち離れているためちょっとの空き時間で行くには残念ながら不便です。ケーキであればハイナーが一番好きで
ここもよく行きますが、気持ちをリフレッシュさせてくれる店内の雰囲気ではありません。
そんな時によく利用するのがGriensteidl(グリーンシュタイドゥル)です。
Café Griensteidlは1847年に、その前は薬剤師であったHeinrich Griensteidlによってオープンしました。
オープン後すぐに文学者が集まるカフェとなり、また1848年には政治家達も多く集まり、ナショナル・カフェなんていうあだ名がつきました。
フーゴ・フォン・ホフマンスタール、アルトゥール・シュニッツラー、カール・クラウスといった有名人が集まりました。
1897年1月,このカフェが入っている建物がミヒャエル広場を新しくすることから取り壊されてしまいます。
そこでここに来ていた常連客はカフェ ツェントラルに移って行きました。
そして1990年に、以前Café Griensteidlがあったこの同じ場所に再びオープンしました。つまりこのカフェはほぼ100年ぶりに復活したカフェです。
ここから歩いてすぐの所に有名な老舗DEMEL(デーメル)がありますが、ここはいつも混んでいてとてものんびり座って物思いに耽るカフェという雰囲気ではありません。このGriensteidlには場所がらということもありますがよく行きます。特にウィーン少年合唱団が歌うミサが王宮礼拝堂で行われる日曜日の午前中、お客様を待っているだけなのでここによく来ます。以前ここの朝食やザッハートルテを話題にしたこともありました。
今日はこのGriensteidlのHeiße Schokollade (ハイセショコラーデ)・・・ホットチョコレートです。
チョコレートの粉が溢れるかのように振りかけられています。この粉がなければメランジェのように見えますね。
味はレシャンツのホットチョコレートにはかないませんが、中々おいしいです。
寒くなるこの時期はカフェの代わりにホットチョコレートもいいでしょう。
営業時間は8:00~23:00までと年中無休で、8:00~11:00は朝食が提供され、11:00以降から閉店まではウィーンの名物料理を始め、軽食まで楽しむことができます。