前回の知られざる美しい中庭風景41では、ウィーン5区の一角と旧市街にあるHarach宮殿を取り上げました。
今年の1月は忙しさからこのテーマを抜かしてしまったので、2月に2回話題にしようと思いましたが、1回しかできなかったので、結局3月の初旬と今日とで2回掲載したいと思います。
今回は旧市街と郊外です。
ここはルネッサンス的要素にバロック的な装飾が見られる中庭空間です。後から追加でつけられたガラス張りの屋根から外からの自然の光が入ってきて、やわらかな明るい空間を演出しています。
本来は屋根がなかったわけで、その方が当たり前ですが
こちらではこのような空間に後から屋根つけて "Wintergarten" (ヴィンターガルテン)と呼ばれる空間が多く作られています。
Wintergartenとは冬でも快適に外が見られる、庭にいるような感覚に・・・という意味です。
この中庭空間は入口から入るとかなり広く感じ、ここを抜けてもっと奥まで行くことができます。
この場所はシュテファン大聖堂からすぐにある旧市街一角のSchuler-Str.1-3番地です。
通りの名前は14世紀初頭には存在していましたが、
1389年からの法律学校があったことから由来しているという説がよく言われていますが、この近くにあったBürgerschule zu St.Stephanもしくは、Singschule bei St.Stephanから由来しているとされています。
窓がはめ込まれている所は四角が多いことや、アーチも四角い構造が見られます。
こちらはアーチの連続が印象的な中庭空間です。
アーチをテーマにした方が良かったかもしれませんが、細長い中庭空間であることがわかります。
アーチがある所は回廊的で、外の地面は石畳が風情ある効果を演出しています。
空が見える部分にはとび梁がありますね。
ここはメルク修道院の一角で、写真の左側に見える壁の部分が教会となっています。
修道院見学後にショップを抜けると必ずこの中庭空間に出てきます。そのまま意識しないで歩いてしまうと気付かないので、改めてこの空間に立ち入って観察してみて下さい。