ウィーンには主要な美術館が7つもありますが、中でもヨーロッパ3大美術館のひとつにも数えられている美術史博物館は絵画に興味がない方でも一度は見ておくべきでしょうか。
去年2016年は美術史博物館の125周年記念でした。
絵画の内容もヨーロッパの他の美術館とは違い、15世紀~18世紀に限れていて、ハプスブルグ家がおさえていた様々な土地の円熟した作品だけが集められています。
つまり、ここに並べられている絵画は全て絵画史上重要な作品ばかりです。
また、ここの内装も素晴らしいものがありますので、この美術館の中にいるだけで幸せな気分にさせてくれます。
今日は久しぶりにここから1枚の絵画について話題にします。
こちらはルーベンスの"受胎告知"です。
今日3月25日は受胎告知の日です。
受胎告知は宗教画ではポピュラーなテーマで、色々な美術館に様々な画家が描いたものが存在します。
ナザレの家にひとりでいたマリアの前に、突然天使が降り立ちました。この天使は大天使のガブリエルです。
ガブリエルは「主はあなたと共におられます」と挨拶をします。この時マリアは突然の出来事から驚きますが、取り乱すことはありませんでした。
ガブリエルは続いて「あなたは神の恵みを受けてみごもり、男の子を生むでしょう。その子をイエスと名付けなさい」・・・マリアは神を信じて聖なるお告げを慎んで受け入れます。その後、ガブリエルは去って行きました。
受胎告知の場面はマリアの生涯ではひとつの頂点としてとらえられています。そのため色々な画家が想像力を豊かにして描いたので、マリアの姿や彼女の心理的な状況、場所、大天使の様子などに個性が見られるテーマです。
受胎告知の場所は一般的にマリアの私室ですが、教会や修道院の回廊などが背景になっていることも多いです。
このルーベンスの場合は祈祷台のようなものが描かれていることがわかります。
このルーベンスの受胎告知は1609年という年代から、彼がイタリアに8年間滞在したその帰国直後にイエズス会のために描いたものです。
もともとこの絵は見開きの祭壇画だったようで、それをくっつけて1枚の絵にしているため、近くで観察すると真ん中に線が見られます。
マリアのこの防衛的なポーズは天使が突然この部屋へ乱入したことへの驚きと慎ましさを表現しています。
天使にはよく白衣が使われるますが、ルーベンスの場合は真っ白というわけではありません。
逆にマリアには赤、青、白といった定番の3色が全て使われていますが、実際に彼女が着ているのは白が使われていて純潔が表現され、ガブリエルの色とのコントラストを成しています。
ルーベンスは大変ドラマチックにこの状況を描写しています。
美術史博物館に関する話題として・・・
ウィーン美術史博物館の天井画、大階段ホールの彫刻、ラファエロ、ブリューゲル、フェルメール、クリムト 1、クリムト 2、ティツィアーノ、ティントレット、美術史博物館のカフェ・レストラン、色彩がとても美しいヴェネツィア派、ゴシックからルネッサンスがよくわかる絵、美術史博物館125周年記念、ヤン・ファンエイクなども書いています。