毎月1回は"知られざる美しい中庭風景"をテーマにしていますが、1月は忙しくて抜けてしまったので2月は2回このテーマを取り上げたいと思います・・・と言っておきながら、やっぱり忙しくて1回しか話題にしなかったので、
今月こそ2回話題にします。
前回の知られざる美しい中庭風景40ではハイリゲンシュタットにあるベートーヴェンの遺書の家の中庭をテーマにしました。
今回は中心からちょっと離れた所と旧市街からです。
こちらはウィーンでよく見られるZinshausの中庭です。
Zinshaus (ツィンスハウス)はいわゆる集合住宅で、多くはWohnungと呼ばれる賃貸アパートになっています。
つまり、ウィーンの多くの人が住んでいる住居です。
実際には貸しアパート以外でもEigentum (持ち家)として住んでいる人、会社の社屋、医者、幼稚園など多目的に利用されています。このようなZinshausは外から見るとヨーロッパの建築様式がベースになっていることが多いですが、全く装飾がないシンプルなものもあります。
中庭空間は外側の装飾が豊かな割にはこの写真に見られるように窓をはめ込んだだけのようなシンプルなスタイルが一般的です。
ひとつの建物が独自の中庭空間だけを持っているパターンや、多くの建物がブロックを形成していてそれぞれの建物の中庭空間が大きなブロックのひとつの空間にあるパターンなどがあります。
この場所はウィーン5区、Schönbrunner Straße85 番地で"Stendelhof"呼ばれていて、1894年に建てられました。
奥には自転車が並んでいて生活の匂いを感じます。
中庭に緑が植えられていることはよくあります。
こちらはFreyungにあるHarrach宮殿の中庭です。
Harrach宮殿は1689年~1696年にDomenico Martinelliのプランによって建てられたバロック様式です。
ここは1435年に3つの小さい家をひとつにした建物とそれに隣接する同じく1435年と記録されている家が建っていました。現在の宮殿の姿になったのは1690年にFerdinand Bonaventura Graf Harrachが入手してからです。
ここの中庭空間は綺麗に囲まれていますが、通り抜けできるようになっていてます。
1階のアーチ構造が印象的で、レストランも入っています。