"ちょっとおもしろいマンホールのふた"というタイトルでだいぶ前に国立オペラ座やバーデンのマンホールのふたをここで話題にしました。
ウィーンの街並みの美しさに気を取られていて、無意識に通常の視線で歩いてしまいますが
地面を見てもこのようにちょっとした芸術的なものもあるわけです。
マンホールの蓋があるということは、当然その下には下水道(こちらではKanalnetz・・・カナールネッツと呼ばれている) が作られているわけです。
ウィーンは1世紀のローマ軍の駐屯地(der XIII.Legion)時代にはすでに当時としてはモダンな下水道システム がありました。
14世紀の終わり(1388年)には地面の下に専用のルートが作られていました。
1739年には街を囲む城壁の中が完全に地下化されています。
ウィーンはヨーロッパで初めて城壁の中が完全に下水道が地下化された最初の街であることが知られています。
その後、19,20世紀にKanalnetzはどんどん延長され、拡張されていきました。
1948年に映画「第三の男」のラストシーンで効果的にウィーンの下水道迷路が使われたことはよく知られています。
現在ウィーンの住居のほぼ100%の99%が地下公共下水道と接続されています。
これはヨーロッパではトップクラスです。
全長2.400kmにも及んでいます。これはウィーン~ザルツブルクを8往復する距離です!
文字通り下水道の迷路です。
こちらは双頭の鷲がマンホールのふたになっているという高貴なものです。
このマンホールのふたはクレムスのもので、この鷲はクレムスの紋章です。
1463年に皇帝フリードリヒ3世がこのクレムスの街に与えたもので、現在でもこの街の紋章として使われています。
赤い舌を出した金の双頭の鷲で、皇帝の帝冠が間にあります。
地面にも歴史を感じる物が刻まれています。