ウィーンの街には外から見ているだけでも十分楽しめる荘厳で美しい歴史的建造物が多く建ち並んでいます。
美術史博物館などは典型的な例で、中に一歩足を踏み入れれば素晴らしい空間が広がり、大階段ホールもとても素敵です。
そのようなものとして以前軍事史博物館についてまとめましたがその博物館の中に美しいホールがあります。
軍事史博物館はリンク道路時代の有名な建築家で楽友協会や国会議事堂を建てたテオフィル・ハンセンとルードヴィヒ・フェルスターによってビザンチン・ネオゴシック様式で1856年に建てられました。
そのため内部空間はビザンチン的であり、ギリシャ正教会を思い起こさせるスタイルとなっています。
上の写真に見られる美しい空間は"Ruhmeshalle" (ルーメスハレ)と呼ばれ、この軍事史博物館の日本でいう2階中央に位置しています。
日本語では"栄誉のホール"なんて訳でいいでしょうか。
ここの天井はギリシャ正教会でお馴染みの正円で、外側部分に飛び出ていて外からハッキリわかるようになっています。
この空間の4つの壁には、オーストリア皇帝軍の4つの勝利が表現されています。
ネルトリンゲンの戦い(1634年)、モーガースドルフの戦い(1664年)、
ゼンタの戦い(1697年)、トリノの戦い (1706年)の4つです。
こちらはこのホールの天井ドームです。
まさにギリシャ正教会です。
ここにはKarl von Blaasという1815年にオーストリアのチロルで生まれた歴史・風俗画家によるバーベンベルク王朝時代からのオーストリアの重要な戦争での勝利が描かれています。
一番上には空が見えていて、この内部空間に光を注いでくれます。
これはフレスコ画で、前述した4つの戦いも彼によるものです。
このホールの両側にも空間があり、入って左側の空間はマリア・テレジアとヨーゼフ2世の統治時代に関して、また右側の空間はナポレオン戦争からラデツキィ将軍のノヴァラの戦いまでが描かれています。
参考までにギリシャエーゲ海のサントリー二島フィラの街にあるギリシャ正教会の内部を掲載します。
サントリーニ島は個人的にも大好きで、休暇でもう何回訪れたでしょうか。
サントリーニ島といったらこの風景でしょう。