早いもので今年もまもなく終わりです。毎月1回ウィーンを始めとした様々な中庭を紹介するこのタイトルも今年最後となりました。前回の知られざる美しい中庭風景風景38ではサレジオ修道会の中庭を取り上げました。
今回はウィーンの旧市街の一角です。
こちらは最近壁が修復されて綺麗に蘇ったウィーン旧市街の歴史あるAm Hofに近い所にあるSchulhof 4番地の中庭空間です。この中庭は何度となく訪れましたが、以前は黄色い壁で茶色い窓枠とのコントラストが素敵だったのを覚えていますが、現在は白っぽい色になりました。
この建物はかるてユダヤ人街区のすぐそばということもあり、ユダヤ人達に使用されていましたが、1421年のユダヤ人迫害を受けてウィーン市の持ち物となりました。その後、1584年~1777年はイエズス会の所有となります。
1683年のオスマントルコの2回目のウィーン包囲の時に被害を受けたようで、その後改築されたか、もしくは新しく建て直されたとされています。つまりバロック時代ですから、この建物の入口も2体の人物像が柱となっている立派な作りですし、右上の写真に見られる階段の入口ンドもバロック様式でることがわかります。これはフィッシャー・フォン・エアラッハ風、ルーカス・フォン・ヒルデブラント風ということになっていますが、誰が建築したかは不明です。この建物は意外と大きくで、反対側のKurrentgasseまでのスペースで立っています。
前述したバロック様式の入口やウィーンらしいパヴラッチェンを見ることができます。自転車が置かれているのが見えますが、ここには住人もいれば会社も入っています。かなり狭い囲まれた中庭空間ですが、真上には空が見えていて空洞になっているのでそとからの光が差し込んできます。
このような知られざる中庭空間は本当に素敵で、ウィーンの街を普通に歩いていては外からは見えない、しかしウィーンらしい姿です。