一昨日の12月24日がクリスマス・イヴ、昨日の25日がクリスマス、そして今日12月26日は第2クリスマスクリスマスの日と呼ばれるお休みです。でもウィーンでは今日のこの日を"Stephanitag"(シュテファー二ターク)と呼ばれ、今日12月26日が聖シュテファヌス(シュテファン)の日です。聖シュテファヌスはキリスト教の最初の殉教者で、イエスが亡くなった後まもなくの36年/40年に石打ちの刑で亡くなりました。ウィーンにはシンボルのひとつであるシュテファン大聖堂がありますね。
カレンダーではクリスマスの最後の日ですが、街中では今日が終わってもクリスマスの雰囲気は翌年までそのまま残されます。クリスマス市はもちろん終わりましたが、街中のイルミネーションはまだまだ見られます。
この時期に街中を歩く時の楽しみのひとつに主要な通りに飾られているそのイルミネーションがあります。昼間の明るい時には街の美しさを壊してしまうような飾りなのですが、薄暗くなってから灯されるこのイルミネーションは素晴らしい演出をしてくれます。ウィーンの街は毎年同じ場所に、同じお決まりのイルミネーションが施されています。先日のクリスマスのイルミネーション2が思いのほか好評でしたので、その続編です。
こちらはウィーンのどこだかすぐに気づく方は多いと思います。
赤の丸いイルミネーションとそのわきには渦巻き模様のイルミネーションが設置されていますね。昼間見るとこの大きな丸はかなり濃い赤で、まるでくす玉のように見えます。実際にこれが初めて設置された時には大晦日のカウントダウンの直後、新年を迎える時にくす玉のように割れると思っていた地元の人が多かったです。渦巻き模様は明らかにウィーンの世紀末時代の画家"クリムト"を意識しているように思われます。
ここはシュテファン大聖堂からは国立オペラ座とは反対方面であるRotenturmstraßeで、ウィーンのイルミネーションの中でもちょっと特殊な雰囲気です。
こちらはいかにもウィーンらしい・・・というかかつての帝国の都を思わせるイルミネーションですね。ヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ家に詳しい方はこのイルミネーションを見た瞬間にすぐオーストリア帝国の帝冠(ルドルフ2世の帝冠)であることがわかります。そのヨーロッパで一番長く続いたハプスブルグ家の下に歴代神聖ローマ帝国の皇帝や王様の称号があったので、このウィーンという街は皇帝の居城として永く君臨してきたわけです。この通りはグラーベンを横切ってペータース教会に通じているHabsbrugergasse(ハプスブルグガーガッセ)です。まさにハプスブルグ家の名前がそのまま通りに名前になっています。
ペータース教会を背にしてこの通りを眺めています。
ずっと奥には王宮のスペイン乗馬学校の乗馬ホールがあります。写真ではウィーンの街中を多く走っている馬車がこちらへ向かって来ますね。いかにもウィーンらしい光景です。