秋から冬にかけては街中には焼き栗スタンドが登場します。夏のアイスに代わるものとして歩きながら手軽に食べられる暖かい物として地元では人気があり、季節を感じる光景です。そこにはたいてい焼き栗、焼きポテト、ポテトパンケーキの3つが売られています。ウィーンの中心地ではグラーベン、シュテファン大聖堂から運河へ伸びるRotenturmstr.、Schottentorなどに毎年登場し冬の間はずっと営業しています。
このような焼き栗スタンドはどこのクリスマス市にも必ず登場しています。クリスマス市を見ながら食べている人も多く、プンシュを飲みながらつまんでいる人も多く見かけます。
焼き栗スタンドで買えるこの3つのうち、今日紹介するシュピッテルベルクのクリスマス市で売っているポテトパンケーキは地元では有名です。
クリスマス市らしいクリスマス市として地元で有名なSpittelberg(シュピッテルベルク)のクリスマス市では右の写真に見られるように毎年必ず行列を作るポテトパンケーキの屋台が登場します。
ここのポテトパンケーキは他とは全く違うものでここ独自のものです。そこでこのパンケーキには
"SPITTELBERGER ERDÄPFELPUFFFER"(シュピッテルベルガー・エルトエプフェルプッファー)という特別な名称がついています。
"Erdäpfel"はオーストリアでよく聞かれる言葉で
"ジャガイモ"という意味です。
この屋台の前には必ずと言っていい程行列ができていて、15分前後ぐらい(場合によってはそれ以上)待つことが多くあります。焼き栗スタンドのようにすでに焼かれていて暖められているものを売るわけではないこと、多くの量を作れないこともあって供給が追い付かないというわけです。
でもここでは必ず出来立てのものを食べることができます。
左の写真がSpittelberger Erdäpfelpufferです。
写真だと残念ながら味をお伝えすることはできませんが、細く切られた繊維のようなジャガイモとジャガイモを潰したものがミックスされてからっと揚げられます。こちらでは"knusprig"という言葉でよく表現されています。大きさは通常の屋台で売っているKartoffelpufferよりも1.5倍ぐらいの大きさで、外側がサクッとした食感でありながらも中身は柔らかさを感じます。自分の番が来たら先にお金を払い、揚げたてのPufferを受け取ったら、その屋台に置かれているニンニクを自分で塗って、塩を少しかけて下さい。これはあくまでも好みですがこの2つがあった方がおいしいですよ。
地元では毎年話題になるもので、これを食べながらプンシュを飲んで仲間と語り合うわけです。
暗くなってからはたいてい並ぶので、昼間のうちに行く方が長く並ばずに済みます。
このシュピッテルベルクは昼間来ても閑静ないい雰囲気を見られますが、イルミネーションが灯された時の方がやっぱり綺麗ですね。