今日はアドヴェントの第3日曜日ですね。クリスマスが近づくこの時期は気持ちも高まって、街中を歩くだけでその空気が伝わってきます。多くの地元の人がクリスマスプレゼントを探し歩き、またもちろん観光客も多く、特にAdvent(アドヴェント)の週末は大変な混雑となるウィーンの中心部です。昨日の土曜日もシェーンブルン宮殿や中心部はもの凄い人出でした。夕方16:00頃からイルミネーションが灯され、そこから暗くなっていくウィーンの街はとても素敵です。クリスマス市も昼間とは違った雰囲気になりプンシュを飲みたくなります。
ウィーンの街中のクリスマス市もいいですが、郊外にも地元では有名な話題性あるクリスマス市がたくさんあります。これらを全部ここで紹介していたらクリスマス市の話題だけで終わってしまうので、私のこのホームページをウィーンに来る前に、もしくはウィーンに来られても見て頂いている皆様のために毎年街中の定番なクリスマス市だけを話題にしているわけですが、今日はちょっと郊外のクリスマス市を紹介します。
うちの毎年の伝統ともなっているSchloss Hofのクリスマス市に今年も出かけてきました。
ここはウィーンの中心から車でA4高速道路経由で60㎞で1時間弱、Marchfeld経由だ50kmぐらいで1時間ぐらいとちょっと離れた所にあります。
ここは通常の宮殿見学に入場料がかかりますので、このクリスマス市にも入場料がかかります。しかし、規模が非常に大きいことと、クリスマス市以外でも楽しめることと歴史的にも重要な場所であることもあり地元では毎年大変人気のあるクリスマス市となっています。
左上の写真はSchloss Hofのメイン宮殿の中庭です。去年と同じイルミネーションですが今年はAdventkranzが本来どのような形をしていたかということが再現されています。これはいつか時間があったらここに掲載します。
ここは12,13世紀にすでにVeste Hof と言われ1507年までマルヒ河の洗い越しとしてEckartsauerの所有でした。その後所有者が何度か変わります。この辺りは水害が多くあったことから1620年にHofbergに移されました。そこからこの宮殿の現在の名称が生まれます。
1725年にプリンツ・オイゲンがここを入手し、ベルヴェデーレ宮殿を建築したルーカス・フォン・ヒルデブラントにより、夏の離宮を意図とした現在のバロック様式の宮殿に改築されました。
1736年にオイゲン公が亡くなってから、彼の姪であるAnnna Viktoriaがこの宮殿を相続しましたが1755年にマリア・テレジアが入手し、その後ヨーゼフ2世が宮殿の2階部分を増築させました。
フランツ・ヨーゼフ1世の時代1898年にはここは軍の養成場所となってます。
現在はシェーンブルン宮殿やウィーンの王宮と同じImperial Austriaの管轄で、一般公開されていてい当時のたくさんのオリジナルの調度品などが残されています。
全体の敷地面積が50ha以上もあり、Schloss Hofのメイン宮殿、美しいバロック庭園、Meierhof があります。
Meierhof は当時プリンツ・オイゲンが宮殿の敷地に同時に所有していた居住空間、馬小屋、農業場、工房として使われた場所です。
実際このクリスマス市でもたくさんの馬やロバも見られ、いくつもの工房が出されていて体験博物館的です。
子供のためのアトラクションもあります。
右の写真はMeierhofの一角で、ここにもたくさんの出店があります。
このSchloss Hofのクリスマス市は"Weihnachtsdorf"と呼ばれ、敷地全体がクリスマス市になっているわけです。ウィーンのクリスマス市のように毎日開いているわけではなく、土曜日、日曜日の週末だけオープンしています。
私が行ったときは12月3日の土曜日で、午前中の仕事が終わってから家族で出かけてきました。
ここに着いたのは16:00頃でしたが、ものすごい混雑で、駐車場は地元の人の車で溢れていました。
街中にあるクリスマス市とは全く違ったおもしろさがあります。