オーストリアは今でこそヨーロッパの小国かもしれませんが、この国がヨーロッパに与えた、そして残した歴史的、文化的な影響は計り知れないものがあります。国は小さくても奥が深いのはそのためで、特に首都ウィーンはかつての帝国の都であり、現在でもその空気を十分感じとることができる"ヨーロッパ文化が凝縮した街"と私はよく表現しています。歴史あるオーストリアは四季を通じて伝統や習慣がそこらじゅうに見られます。
この時期の"クリスマス"は年間を通して人々の生活の中では一番重要なものであり、毎年ウィーンのクリスマスは素敵です。(宗教的には復活祭が一番重要です)
今年は去年よりも2日早い11月11日から市庁舎やシュテファン大聖堂などの多くのクリスマス市がオープンし、それと並んで街中のイルミネーションやお店のデコレーションなどもこの時期を素晴らしく演出してくれています。
このクリスマスにはADVENT (アドヴェント)という重要な習慣があります。
クリスマスがあとどのくらいしたら来るんだろう・・・とわくわくしながら待つ時期のことをADVENT (アドヴェント)と呼んでいます。
日本語でアドヴェントでもいいと思いますが、
待降節とか降臨節とも呼ばれています。
ADVENTはラテン語のadventusから来ていて、「到着/到来」を意味します。
もともとAdventus Domini(ドイツ語でAnkunft des
Herren)で直訳すると主の到着、そこから人間世界へのキリストの到来・・・という意味です。
このアドヴェントはローマカトリックの習慣で、正教会にはそこまで普及していません。
アドヴェントはクリスマスイヴから遡って約4週間の期間で、厳密には、クリスマスイヴに一番近い日曜日から遡って4回の日曜日を数えます。
そのため明日の11月27日はADVENTの第1日曜日です。もし12月24日が(過去にもありましたが)たまたま日曜日であればそのイヴの日が4回目の日曜日となります。
アドヴェントの第1日曜日は一番早くて11月27日、一番遅くて12月3日となりますから今年は一番早いADVENTの第1日曜日ということになります。
ローマカトリックやプロテスタントではこのアドヴェントの第1日曜日から新しい年が始まりますので、教会的には"元旦"ということになりとても重要な日です。