オーストリアでは小学校4年制を卒業するとGymnaiusm (ギュムナジウム)やneue Mittelschuleなどに行くことが多く、neue Mittelschuleの後に小学校や幼稚園の先生の専門教育課程や職業学校、またGymnasiumに編入するなどいくつかのパターンがあります。このGymnasiumの場合は8年制で、日本で言えば小学校5年生~高校3年生にあたり、これを卒業すれば"Matura" (マトゥーラ)が与えられ大学へ登録するだけで進学することができます。こちらでは願わくばGymnasiumは卒業してMaturaは社会的にも絶対に取っておけ・・・とよく言われています。Maturaがある場合とない場合では仕事にも大きな影響があります。入試無しで大学に入れるわけですから自分が学びたいものを選べるわけで、結果的にその分野での専門家が多く登場することになります。
でも中には意図的にまたは様々な事情により勉学を中断してしまう人も多くいます。オーストリアの場合は100人に7~8人の割合で勉学を中断する人がいますが、EU内ではどうでしょうか?
EU諸国 | 2011年 | 2015年 |
クロアチア | 5.0% | 2.8% |
スロヴェニア | 4.2% | 5.0% |
スロヴァキア | 5.1% | 6.9% |
スウェーデン | 6.6% | 7.0% |
オーストリア | 8.5% | 7.3% |
オランダ | 9.2% | 8.2% |
ドイツ | 11.6% | 10.1% |
EU28ヵ国 | 13.4% | 11.0% |
ハンガリー | 11.6% | 11.4% |
イタリア | 14.7% | 17.8% |
ルーマニア | 18.1% | 19.1% |
スペイン | 26.3% | 20.0% |
※ Eurostatより (2016年10月3日付の新聞)
これはユーロスタット(欧州連合統計局)によるもので、24歳までに勉学をやめてしまった人の統計です。
この統計によればオーストリアは上位に入っていて、EU平均を下回っていることがわかります。イタリアやスペインなどはオーストリアから比べると倍以上の割合で勉学を中断しています。
人によっては仕事をしながら学位を取得する人もいますが、逆に興味がなくなったので勉学をやめてしまう人、色々な事情でやめてしまう人も多くいます。例えばウィーン大学にJapanologie (ヤパノロギー)という日本学の専門がありますが、最初は興味から入って来る人が多く、しかし日本語のハードルの高さもあり年々やめていく人が多く、最後まで残って単位をとる人は極わずかです。