オーストリアはかつての共産圏には入りませんでしたので、街は綺麗で国内には豊かな自然が広がっていますが、ヨーロッパでは物価が結構高い国で、税金も高めです。住居なども年々高くなっている傾向ですが、その反面旅行者には優しく、ウィーンのホテルなどは他の西側主要都市と比べると平均的に安めです。
税金が高いということはそれなりに社会福祉面が充実しているなとウィーンに住んでいると思います。
食料品はヨーロッパでもデンマークの次に高いので、人件費も結構高いですからレストランなどに入って座って食事をすると意外と高くなります。日本の外食産業はすごいので、安くておいしいものがどこでも食べられますが、こちらは安く済ませようとするとソーセージスタンドとかスーパーでパンにハムなどを挟んでもらってとかということで限られてしまいます。
人件費が高いということは、会社はその人の毎月の給料以外に社会保険(医療保険や年金など)などもそれ相当の負担をしますので、多く払っているわけです。
これに関してオーストリアは他の国と比べるとかなり高いことがわかります。その統計を御紹介しましょう。
国 |
手取りに対して会社が払う割合 |
ベルギー | 224% |
オーストリア | 198% |
ドイツ | 198% |
イタリア | 196% |
フランス | 194% |
チェコ | 175% |
スウェーデン | 175% |
ソロヴェニア | 174% |
OECD | 156% |
ポーランド | 153% |
アイルランド | 138% |
スイス | 129% |
※OECD (経済協力開発機構)より
これは会社がひとりの給料に関してどのくらい払っているかというデータで、去年2015年度の統計です。
これによればオーストリアはベルギーの次に人件費が高いことがわかります。ベルギーの場合、100ユーロの手取りを渡そうとすれば会社は224ユーロも払わなければなりません。オーストリアは100ユーロの手取りに対して198ユーロですからほぼ倍払うことになります。
物価が高いスイスが会社の負担額が意外と低いんですね。
どこもそうでしょうが会社側としてはやる気もあって有能な人材を確保したいというのは当然のことですね。