ウィーンは"音楽の都"ですから年間を通して様々な演奏会が開かれています。ウィーンを訪れて国立オペラ座や楽友協会、コンツェルトハウスなどで演奏会を楽しみたい・・・という方も多くいらっしゃいます。音楽にあまり興味がなくてもウィーンらしい手軽に楽しめるワルツコンサートに行かれる方も多く、一般団体ツアーでも夜にはコンサートが組み込まれていることが多くあります。やっぱり本場ウィーンで音楽に触れてみることは憧れでもあると思います。演奏会はたいてい夜ですから、ディナーと組み合わせたアテンドをすることもよくあります。昼間の観光中でも年間を通して国立オペラ座や楽友協会の内部見学をすることもよくあります。
国立オペラ座は国家ガイドが単独で案内することができますが、楽友協会はそれができないのでいわゆるハウスガイドがきます。そのため日本の皆さんと見学する場合はハウスガイドがドイツ語で案内しますが、それを私が日本語に訳します。でも直訳するだけでは日本のお客様には分かりにくい時もあるのでそんな時私は様々な角度から分かり易く日本語に直します。
ちなみにこの国立オペラ座については何回か話題にしているので興味ある方は以下も御参照下さい。
さて、その楽友協会の大ホール・・・通称黄金の間は世界で最も音響のいいホールのひとつであると同時にウィーンフィルのニューイヤーコンサートが開かれる場所ですから誰もが一度は見てみたい思います。
ここのガイドツアーではなぜここの音響がいいのかとかここの歴史的背景などを知ることができます。
つい最近の9月の終わりにも日本からの大学生の皆さんをここに御案内しました。公のガイドツアーの場合は時間が決まっていますが、団体ツアーの皆さんと訪れる時には専用の時間を確保してもらいます。この時は夕方17:30というあまり普通ではない時間に訪れました。ハウスガイドは私もよく知っているMr.Rさんで、いつものように入口からガイドツアーが始まって、その後地下のガラスのホールを見た後、ブラームスザール、そして最後は黄金の間に足を踏み入れようとした時にまだオーケストラがリハーサルを行っていて、すぐには入れませんでした。
外のディスプレイから中の様子を窺っていて、リハーサルが終わったと同時に黄金の間に入りました。
実はそこでリハーサルをしていたのは、トーンキュンストラー管弦楽団で、日本でも話題になっている佐渡裕さんが指揮をされていたのです。御存知の方も多いと思いますが佐渡さんは2015年からここの首席指揮者をされています。その時は35名の学生さんを連れていて、多くの方が佐渡さんのファンであり、リハーサルが終わった佐渡さんが、すぐに日本の皆さんだと思ったのでしょうか、私達に気づいて客席に降りてきました。
私が佐渡さんと挨拶をして、ここに来ているいきさつを少しだけ話し、その後「皆さん、写真を一緒に撮りましょう!」と佐渡さんから快くおっしゃられて皆さん大喜びでした。楽友協会は以前は違いましたが現在は内部での撮影が禁止されています。でもハウスガイドのMr.Rさんは「指揮者が言っているのだから全く問題ないよ・・・・」と言って一挙に盛り上がって皆で写真を撮りました。その後佐渡さんは皆さんと握手をしてくれました。私も佐渡さんに今後の御活躍を申し上げてお礼をして握手をして別れました。
これは毎年このウィーンに大学授業の一環で来られている皆さんにとって歴史に残る出来事だったはずです。
その時のワンシーンをここに掲載します。