この知られざる美しい中庭風景もウィーンのちょっと珍しいアングルと同様、毎月登場するお馴染みのテーマとなりました。前回の知られざる美しい中庭風景 35では花のねこを話題にしましたが、今回はウィーン旧市街です。
ウィーンの旧市街は歴史ある建物が多く、路地などもたくさんありぶらぶら歩くだけでも十分楽しいです。様々な建築様式の建物がたくさんあり、街の顔となっていてそれだけ見ていても飽きることはありません。
この中庭はどこだかわかりますか?シュテファン大聖堂のすぐ近くにあるHotel König von Ungarnです。ここはホテル自体そんなに大きくなく、入口が小さいのであまり目立ちませんが、建物が黄色なのでこの通りに来るとよくわかります。中にはこのような素敵な空間が広がっています。椅子やソファーが置かれていてくつろげるようになっています。中庭を演出する緑の木も植えられていますね。しかもここは"Wintergarten"と呼ばれる外や空が見られるスタイルです。天井がないわけではなく、しっかり建物に組み込まれているので雨が降ってきても大丈夫です。奥の建物の2階から上はパヴラッチェンスタイルになっていて、しかし右側の方は全く違うスタイルでそれらがお互いに協力してひとつの空間を作っている感じがします。
ホテルですから言って見ればこの空間はホテルのロビーということになりますが、ここの中庭は有名なのでここを見に来る方は結構多いです。1階部分のアーチ構造も素敵ですね。このアーチとパヴラッチェンの調和もいいです。ソファーや椅子もヨーロッパの伝統的なものを感じるスタイルになっています。
この建物の一番古い部分は16世紀で、17世紀後半に大きく拡張されています。ここは1746年よりホテルとして営業されています。
左の写真はこの空間を別の角度から見ています。こちら側から見るとパヴラッチェン構造はありませんが1階部分のアーチが印象的で2階部分の窓の所には花が置けるスペースが見られます。
Hotel König von Ungarnは"ハンガリー王"という意味で、ここは19世紀後半のオーストリア=ハンガリー帝国時代にはハンガリーの貴族達や重要人物が多く宿泊していました。
ここの中庭は一見の価値があります。