この時期の旬のものとしてSturm (シュトゥルム)があります。今年は8月27日付でシュトゥルムについてすでに書きました。今年は例年よりも少し早めに街中にシュトゥルムが出回った感じがします。
STURM (シュトゥルム)とは収穫後のブドウを絞り、そのブドウジュースの発酵が始まった飲み物ですね。
同じSturmでも今日テーマにするシュトゥルムはちょっと違うもので話題性があるもので、このシュトゥルムは皆さん待ち焦がれていたものです。今年もやっとそのシュトゥルムがウィーンにやって来ました!
そのSTURMとは"Schilcher Sturm" (シルヒャー・シュトゥルム)で、ウィーンではあまり飲むことができないものです。左上の写真はお馴染みグラーベンです。このグラーベンの一角には毎年この時期右上の写真に見られるように小さなスタンドが出され、その名物であるシルヒャー・シュトゥルムが提供されています。
これは昨日午後の写真で、このスタンドは9月22日が今年の初日でした。私は23日まで仕事でザルツブルクにいたので残念ながら初日に来ることはできませんでしたが、昨日ここに立ち寄ってオーナーと挨拶を交わしました。
ここのオーナーとは毎年この時期にこの場所だけで会いますが、私はここの常連なので、オーナーもすぐに暖かく迎えてくれてすぐに今年のシルヒャー・シュトゥルムを一杯御馳走してくれました。もちろん代金を払うつもりだったのですがそんな隙も与えてくれない歓迎を受けて嬉しかったです。
毎年ここに置かれる簡易テーブルも地元の方々でいっぱいです。私もここでカフェにいるような感覚で雑踏を眺めながら今年最初のシルヒャー・シュトゥルムを味わいました。まだできたてということもあり発酵が始まったばかりと言う感じの味でしたがとてもおいしかったです。時間と共に発酵過程が進んでいきますから味が変わって来るんですね。オーナーによれば今年は悪天候や寒さのおかげでぶどうも満足できるものではなかったということです。同じテーブルにいたこちらの女性が話しかけてきて世間話で盛り上がりました。その人もこのシルヒャー・シュトゥルムを毎年楽しみにしているそうで初日にも足を運んだと言ってました。
"Schilcher" (シルヒャー)とはオーストリア産の"Blauer Wildbacher"という赤ワインになるぶどうの品種からできたワインの名称です。
特に"Wildbacher"という品種からできたワインは明るい赤色になることからロゼとも言われます。グラーツを州都とするシュタイヤーマルク州ではロゼのワインが作られることで有名で、"Schilcher" はシュタイヤーマルク産のワインだけに用いられる登録商標です。
そのロゼワインになる途中の発酵中の飲み物ももちろんシュトゥルムと言われますが、特にこの場合のシュトゥルムは"Schilcher Sturm"(シルヒャー・シュトゥルム)と言われています。ぶどうの品種はもちろん"Wildbacher"です。
今年は天候の影響もあるのか去年よりも20セント高くなっています。白のシュトゥルムも提供されていますがこちらの値段は去年と同じです。
まだ発酵が始まったばかりと言う感じで、あまり泡がたっていません。でも10月半ばまでは飲めるので味の移り変わりが楽しみです。
今日も仕事が終わったらおそらく立ち寄ることになりそうです。