仕事でザルツブルクに4日間滞在していて、昨日の夜ウィーンに戻って来ました。
毎回そうですが、ウィーンに戻ってくるとホッとします。
ウィーンの街はヨーロッパ文化が凝縮したとても奥が深い街ですから、観光内容も様々なバリエーションになるわけです。よくここに書くようにシェーンブルン宮殿には頻繁に行き、またリンク道路をバスで周ることもパッケージでは定番となっています。ウィーンの街以外で郊外観光と言えば、ヴァッハウ渓谷やウィーンの森が年間を通して多くあります。もちろんザルツブルク、グラーツ、ブルゲンラントなどの遠くに行くこともありますが、日帰り観光としてはヴァッハウ渓谷、半日郊外と言えばウィーンの森が時間的にもちょうどいいです。
先日またウィーンの森を御案内することがありました。皆さんと行くウィーンの森というとたいてい南方面に行きます。こちらはウィーンの外にあり、とても個人で行くには不便で、しかも見所が点在しているからです。
個人旅行ではベートーヴェンゆかりの地であるハイリゲンシュタットにある遺書の家やベートーヴェンの散歩道、カーレンベルクなどがある北の森を訪れることが多いでしょう。こちらはウィーン市の中に入っていてまた公共交通機関でもある程度アクセスできるので行き易いですね。でも実際はベートーヴェンの遺書の家界隈は森というよりも森の入り口で郊外の雰囲気です。南方面の場合は文字通りウィーンの森の中を走ります。
ウィーンの森南方面ではカトリックの重要な修道院ハイリゲンクロイツやルドルフ皇太子が悲劇の心中自殺を図ったマイヤーリンク、ヨーロッパ最大の地底湖ゼーグロッテなどは定番で、それ以外に温泉街バーデン、リヒテンシュタイン城、シューベルトゆかりのレストランヘルドリッヒスミューレなど色々な組み合わせが可能です。
この時はある夏の日の午前中のウィーンの森観光で、ヘルドリッヒスミューレやハイリゲンクロイツ修道院、そしてマイヤーリンクの内容でした。天気がいい絶好のウィーンの森日和でしたのでいくつかその時の雰囲気をお伝えします。
こちらはシューベルトが好んで滞在したHöldrichsmühle (ヘルドリッヒスミューレ)で、ウィーン中心から車で22km南へ走ったHinterbrühlにあります。この時期だと窓辺に花が飾られていてとても情緒があります。
ここは何といってもシューベルトが仲間とよく訪れ、そして有名な「菩提樹」の発想を得たレストランとして知られています。シューベルトは1820年~1826年の間に何回もここを仲間と訪れ、この地域で森の散策を楽しみ、自然の美しさに触れることを好みました。
こちらはマイヤーリンクです。ルドルフ皇太子が心中自殺をした所とは思えないのどかな雰囲気です。ここは現在カルメル会の修道院となっていますが、礼拝堂と一部が博物館として公開されています。ここは2014年の10月9日からリニューアルされていますので、依然と比べると展示物も充実し、見学にも依然と比べると時間がかかるようになりました。 → 新しくなったマイヤーリンク
こちらはマイヤーリンクの礼拝堂を背にして正面を見た風景です。画面左側に駐車場が見えます。ウィーンの森の山が目の前に迫っていてのんびりした美しい風景が楽しめます。ウィーンの森はたくさんの山から成り立っていて、その山の中に小さな街が点在しているわけです。この辺りはハイキング天国でもあり、地元の方が自然を楽しみにやって来ます。実際にウィーンの森で休暇を過ごすという人も多いです。
ウィーンの森は"森"という言葉こそ使われていますが、実際はヨーロッパアルプスの一番東側に位置していますからアルプスの一部であり、アルプスの始まりでもあり、終わりの部分でもあるわけです。厳密に言えばウィーンの北の森のレオポルヅベルクが一番の端っこということになります。