私の大好きな空間のひとつして国立図書館のプルンクザールがあります。
最近ここは日本でもかなり知られてきていて、観光中に質問もよく受けるようになり、
実際にここを御案内することも多くなりました。
"Prunksaal"(プルンクザール)は王宮の一角に位置し、
世界で最も美しい図書館のひとつと言われています。
実際にこの中に入ると息が止まります。
77.7mのバロック様式の大空間と天井ドームのフレスコ画が素晴らしい内部空間です。
外から見ただけではこの中にこんな美しい空間があるとは全くわかりません。このプルンクザールは国立オペラ座を背にして王宮のアウグスティーナー教会沿いに歩いていくとヨーゼフ広場というコの字型の広場に出ますが、その広場にここの入り口があります。
先日、このプルンクザールをあるお客様に御案内した時にはちょっといつもとは違って、
専門の係が作業をしていました。
何をしていたかというと、このプルンクザールに置かれていた蔵書を本棚から降ろしていたんですね。
左の写真を見て下さい。
手袋をつけている専門の係がバケツリレーのように本棚から本を手渡しています。
一番下の人が受け取った本を大きなワゴンに入れています。
ここには何度となく来ましたがこんな光景は初めてでした。
右の写真はそのワゴンで、かなりの台数がありました。
本棚にあった歴史的重要な本がここに順番通り並べられてさらに運び出せるようになっています。
作業中に悪いと思いましたが、ちょっと話しかけてみました。
係の方はとても親切に何をしているのか教えてくれました。
それはこれらの歴史的書物の内容をデジタル化してデータ保存をするという目的だったんですね。
話では定期的に行っているそうです。
歴史的な修道院にはたいてい美しい図書館が存在していて、データをしっかり保存する話はよく聞きます。
このプルンクザールでも同様に歴史的遺産をデジタル化していました。
どの本棚にどの本が置かれていたかをしっかり把握してワゴンに詰め替えています。
よく行くこの素晴らしい空間ですが、個人的に専門の係と話せて面白かったです。