ウィーンは音楽の都とよく形容される通り、これだけの有名な作曲家が足跡を残した街は他にはないでしょう。
音楽ファンの方々にとってもウィーンは魅力的な街に違いありません。オーストリアの魅力からすれば音楽は極々一部にしか過ぎませんが、年間を通して仕事をしていると音楽に決して興味があるわけではなくても、モーツァルトやベートーヴェンの後を見たい方は多くいらっしゃいます。一般的なツアーでも音楽家達が眠る中央墓地が観光ポイントに入ることもよくありますし、皆さんとケルントナー通りを通る時にもモーツァルトが亡くなった場所をよく御案内しています。モーツァルトはその中央墓地には記念碑しかなく、聖マルクス霊園にお墓があります。
この聖マルクス霊園・・・St.Marxも年間を通してよく行きますが、モーツァルトのお墓があるにもかかわらず中央墓地と比べると行き難いこともあって数は少ないです。
今年6月後半に久しぶりにモーツァルトのお墓に行ったことを話題にしましたが、8月中旬にこの時のお客様と行った時にはモーツァルトのお墓がなんとなくなっていました!
聖マルクス霊園の入口からお客様と歩きながら少し坂を上って行くと、普段は遠くからモーツァルトのお墓が見えるのですが、この時には何も見えなかったので何か様子がおかしいと思って近づいてみて、ちょっと唖然としてしまいました。近づいてい見ると墓石とそのそばに悲しげにたたずむ天使がなくなっていました。
左の写真はモーツァルトのお墓ですが、墓石と天使が立てられていた土台を見ることができます。
実はこのモーツァルトのお墓とこの領域を綺麗に整備している最中でした。右の写真は作業員の姿が見えていて、モーツァルトのお墓への遊歩道も整備され、両側には新しくベンチも置かれています。
よく見ればモーツァルトのお墓部分の周りが全部削られていることがわかります。
モーツァルトのお墓の花が植えられている部分だけが残されていてかなり深く水準が掘られています。
この時の作業員と話をしたら、あと2週間ぐらいはかかるだろうと言っていました。
聖マルクス霊園(St.Marx)は1784年から約90年間墓地として使われました。
1874年に中央墓地ができるにあたって、周辺墓地と同様に閉鎖されるはずでしたが、当時のヨーロッパで貴重な
「ビーダーマイヤー様式の墓地」ということから残されました。
現在では墓地の機能はなく、墓石がそのまま並べられた公園としてウィーン市が管理しています。
この時の御一緒したお客様にモーツァルトのお墓をお見せできなかったことは残念でしたが、逆に普段見られない光景を見ることができました。
いつかこのモーツァルトのお墓が綺麗になった姿をまた話題にしたいと思います。